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CV:諏訪部順一

概要編集

大黒亭文狐の師匠。故人。飄々とした人物だが、人間嫌いで喧嘩っぱやく、たびたびトラブルを起こしている(そんな一方で、人間観察が好きな一面も)。また、病弱ゆえ兄弟子にいじめられていた歌緑を助けていたこともあり、歌緑とは付き合いが深かったようだ。彼は、もしかすると弱い者を虐げる者が嫌いで、虐げられている者を助けたくなる性分だったのかもしれない。


人物編集

前述の人間嫌いは身勝手で自己中心的な振る舞いを行う者ばかり見てきたゆえである。それでも自分の噺で笑ってくれる人間が好きと思っており、そうした葛藤に嫌気がさし、「大黒亭」の名跡も自分で終わりにし、落語も止めよう決めており、実子にもネタをつけなかった。

そんな文鳥に弟子入りを懇願する圓紫の求めも拒絶。

それでも「寿限無」だけは与えた文鳥。「名の縛り」に苦しんでいた圓紫にこれを与えたのには、ある「意図」があり…。


そんなあるとき伊勢を訪れた際、人間の身勝手で社を壊され、人間を憎む七度狐に出会う。そんな七度狐の思いに感じるものがあったのか、前述の約束を撤回し、七度狐に「文狐」の名を与え、弟子とする。

人間嫌いな部分に自分と重ねたのか、「芸で人間を見返してみないか」と提案する。

一門は驚き、特に文鳥を憧れ、弟子にしてほしいとたびたび求めてきていた圓紫は、文狐に対し敵意をむき出しにする。

不本意な文狐、もとい七度狐は「こんなところ、出ていってやる」と出ていく機会をうかがっていた。

そんなある日、文鳥は「百年目」という噺を披露する。1時間にも及ぶ大作で、めったにやらないというネタであった。

そこに文狐は、かつて神を敬い、大切にしていたかつての人間が浮かんできた。それを「見た」文狐は、涙を流すのだった。こうして、文狐は噺家の道を歩むことを決意したのだった。

それから5年後、愛弟子が真打ちに昇進したのを見届けるかのように、文鳥はこの世を去った。

看取る愛弟子にこの言葉を遺して。

「なあ、文弧。俺の芸、お前で終わらせてくれよな…お前は…」

か細い、その言葉は最後までは聞き取ることは出来なかった。



それから少しときは経ち、「上方落語四天王」と呼ばれ、一世を風靡する文狐。

そんなとき、人間の追っ手から逃げ回る1匹のたぬきと出会うことになる…。


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