概要
小説家になろうにて連載中の小説。
作者は文庫妖。
2018年夏にアイリスNEO(一迅社)から書籍化された。既刊7巻。
イラストはなま。
コミック版はおの秋人の作画で『ZERO-SUMコミックス』で連載中。既刊6巻。
女性主人公シオリと男性主人公アレクは共に30代。過去の出来事で傷ついた2人が「取り戻していく物語」。
物語
A級冒険者のアレクが出会った、『家政魔導士』という謎の肩書を持つシオリ。共に向かった冒険は、低級魔導士である彼女の奇抜な魔法により、温かい風呂に旨い飯と、野営にあるまじき快適過ぎる環境に。すっかりシオリを気に入ったアレクだったが、彼女にはある秘密があってーー。冒険にほっこりおいしいごはんと快適住環境は必須です? 訳あり冒険者と、毎日を生き抜く事に必死なシオリ(&彼女を救った相棒のスライム)の異世界ラブファンタジー。
(公式サイトの解説文より)
登場人物
主要人物
- シオリ
本作の女性主人公。
物語開始時点ではストリィディア王国のB級冒険者で、トリス支部所属。職業は「家政魔導士」。
数年前に王国の森に突如として現れた黒髪の東洋人女性であり、言葉も通じない中で必死に努力して魔導士となり冒険者として活動し始めた。魔導士としては魔力が低いものの、彼女が使う独自の「家政魔法」は冒険中の衣食住の不足を補うことで同行者の疲労を軽減し任務達成を大きく助ける。また使い魔としては珍しいスライム「ルリィ」を連れている。
性格は温厚かつ礼儀正しいが、他者とはどこか線を引いて距離を置いている。他方、彼女自身の人格だけでなく、家政魔法の恩恵を実感した冒険者たちからも評価は高く、トリス支部の高難易度任務の達成件数の底上げに貢献している。また料理上手で性別問わず胃袋を掴まれた者は数知れず。冒険者としての経験はそれなりに積んでおり、作中で魔獣との戦闘では彼女の機転や閃きが勝利の鍵となることが多い。
異世界転移後で経験した過酷な過去ゆえに他人を遠ざけていたが、仕事で出会ったA級冒険者アレクと出会ったことにより大きく変わっていくことになる。
実は突然異世界転移した現代日本人。彼女が使う家政魔法は転移前の知識を利用したものが多く含まれている。
- アレク
本作の男性主人公。
剣と魔法を操るA級冒険者。
他国での任務を終えた後の休暇が終わって冒険者に復帰した時、密林に潜むマンティコア討伐任務のパーティでシオリと出会う。最初は冒険中にもかかわらず、シオリの家政魔法による快適な野営生活と美味しい食事に好感を抱いた程度だったが、シオリとの交流からアレク自身が抱える過去の傷に向き合い克服する過程でシオリと恋仲になる。
A級冒険者だけあって戦闘能力はもちろん判断力も高く、S級冒険者昇格も近いと噂されている。
実はストリィディア王国でのやんごとなき身分の人物だが、それゆえの過去の傷を抱えている。
- ルリィ
シオリの使い魔であるスライム。
本来の姿は水溜まり型だが、普段は饅頭型でぽよんぽよんと動いている。
瑠璃色をしていることからシオリが名付けたが、自分やシオリに殺意を向けられると血のような赤色に変化する。
シオリの水魔法で作り出す水が好物だが、基本は雑食であり街中では害虫を捕食していることが多い模様。
実は使い魔契約はしておらず、ルリィの意志でシオリの友人となった。
スライムではあるが知能が高い上に、同族の仲間とは遠距離でも意思疎通できる。
- ザック
冒険者ギルド・トリス支部の現支部長にしてS級冒険者の中年男性。
冒険者としても優秀なだけでなく、ギルドの運営も問題なくこなす。一方で保護者として後ろ盾になったシオリを妹分として過保護に扱うところがある。
最初に妹分であるシオリを弟分であるアレクに同行させた後、2人が仲を深めていく様子を複雑な心境で見守っている。
かつてのトラウマから虫が非常に苦手で、家では黒い悪魔Gの跳梁に悩まされている。
本名はブレイザック。
- クレメンス・セーデン
冒険者ギルド・トリス支部に所属するA級冒険者で、双剣使い。
銀髪碧眼の優男風、かつ紳士的な立ち居振る舞いで女性に人気がある。
シオリの焼き鳥が好物で、他にシオリが調理した特製携帯食を酒の肴に飲んでいるらしい。
次第に「千年の孤独」などの縁起的にどうかという名前の酒を飲むようになっており、残念美形キャラと化した。
- ナディア・フェリーチェ
冒険者ギルド・トリス支部に所属するA級冒険者で、上級魔導士。火魔法を得意とする。
蓮っ葉な口調の姉御肌。白磁の肌にストロベリーブロンド、金茶色の瞳の美女。
30代で肌艶が悪くなっていたところをシオリの助言で生活習慣を直したところ、実年齢より若く見られるくらいになった。
- オリヴィエル・フェルセン・ストリィディア
ストリィディア王国の現国王で、アレクの異母弟。
金髪に紫紺色の瞳をした麗しい容姿。為政者としては優秀。
家族や国民を大切に考えているが、彼にとって大切なものを傷つけられると苛烈な対応をとる一面もある。
気になる事があると自ら現場に足を運んだり、ルリィと同族の桃色のスライムをベルゥと名付けて友人として王城に連れ帰るといった行動で側近たちを悩ませている。
アレクが倒れたと聞いてトリス市に姿を現した際、偶然シオリと接触した。