概要
正式名称は「002型航空母艦」。当初は001A型航空母艦とも呼ばれていた。
旧ソ連海軍のアドミラル・クズネツォフ級空母「ヴァリャーグ」を再就役させた001型航空母艦「遼寧」をベースに設計し、自国で建造した中国初の国産空母である。2019年に就役した。
遼寧と比べて大型化しているのが特徴で、全長は10メートル程伸びて約315メートル、満載排水量も7000トンほど増えて約6万7000トンに増加している。その一方で速力は31ノットに向上している。
原型艦(というよりクズネツォフ)譲りの空母としては大型の艦橋構造物を有していた遼寧と異なり、山東では高さを1段増やした一方で1割ほど小型化・スリム化しており、その分飛行甲板の駐機スペースを増加させたり取り回しをしやすくしている。
格納庫と飛行甲板も広くなったことで、搭載できる艦載機の数も増えており、J-15艦上戦闘機の搭載数は遼寧が18~24機に対して、山東では32~36機である。
しかし遼寧と同じく航空機用カタパルトは無く、スキージャンプ台と呼ばれる傾斜を付けた飛行甲板から航空機を発艦させ、着艦時にアングルドデッキを用いるSTOBAR方式(短距離離陸拘束着艦)を採っているのも遼寧と同じ。
遼寧との外見上の違いとして、艦橋の固定式AESAレーダーが遼寧はタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦と同じ正面・真横・真後ろを向くように配置されていたのに対し、山東ではアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦と同じ、より効率的な左右斜め前・左右斜め後ろを向くように配置されている。
次世代艦として、さらに本艦を発展させた003型航空母艦「福建」がある。
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ヴァリャーグ:旧ソ連空母。この艦が中国に購入されて「遼寧」となった。「山東」は「遼寧」をベースとしており、ヴァリャーグ及び姉妹艦のアドミラル・クズネツォフとは準姉妹艦とも言える。というか日本の防衛省は「山東」をアドミラル・クズネツォフ級に分類している。