曖昧さ回避
002型航空母艦「山東」
2019年12月に就役した中国人民解放軍海軍の002型航空母艦(空母)。中国海軍にとって001型航空母艦「遼寧(旧アドミラル・クズネツォフ級重航空巡洋艦『ヴァリャーグ』)」に続く2隻目の空母であり、未成艦を購入して完成させた遼寧と異なり最初から中国国内で建造された初の国産空母である。
基本的には「遼寧」の拡大発展形で同艦と同じSTOBAR(短距離離陸拘束着艦、スキージャンプを使って発艦しアングルドデッキとアレスティングワイヤで着艦する)方式の空母だが、「遼寧」から下記の様々な改良が施されている。
- 艦自体の大型化とそれに伴う艦首スキージャンプの角度変更。「遼寧」は全長301m・満載排水量67,500tでスキージャンプ角度は14度だったが、「山東」は全長308.5m・満載排水量70,000t(推定値)と大型化する一方スキージャンプ角度は12度に緩められている。
- 大型化と設計変更による艦載機格納庫の容積増大。特に「遼寧」では艦前部のP-700艦対艦ミサイル区画を改装によって別用途に転用(ただし強度上の問題から完全転用は出来ず)することで容積増大を図っているが、「山東」では最初から格納庫として設計することで艦載機搭載数の増大が図られている。
- 艦橋形状の変更及び小型化、搭載レーダーの変更。「遼寧」から前方ブリッジが2層に増やされた一方、艦橋自体の大きさを1割削減することで省スペース化が図られている。また、「遼寧」では蘭州級駆逐艦と同じ346型AESA(アクティブフェーズドアレイ)レーダーを「アドミラル・クズネツォフ」と同じ装備要領(艦橋前部正面及び左側面、後部右側面及び後方正面)で搭載していたが、「山東」では改良型の346A型に変更した上で装備要領を蘭州級などと同様艦橋の四方に張り付けるものに変更されている。
就役後は随伴艦を伴い積極的な洋上演習を実施する姿が度々周辺諸国に捉えられている。