山陰自動車道
さんいんじどうしゃどう
中国自動車道・山陽自動車道に次ぐ3つ目の中国地方を横断する高速道路として計画されている。
起点は鳥取県鳥取市の鳥取ICであり、前述2つとは異なり近畿地方までには達していないが、兵庫県佐用町の佐用JCTで中国道から分岐し鳥取ICまでを結ぶ鳥取自動車道と一直線に続いている。
当路線の大きな特徴としては繋がっていないことが挙げられる。
当路線は中国・山陽両道と異なり、そのほとんどが各区間でバイパスとして制定された道路の集合体なのである。これらは「A'路線」と通称される一般国道の分類であり、正式な高速道路ではない。実際にA'路線の区間では「山陰自動車道」ではなく「山陰道」と案内される。
法令上の高速道路区間は島根県内の松江玉造IC~出雲IC間33.9kmのみで、これは未開業区間含めた全長の1割未満にとどまる。一部区間のみA'路線(広島岩国道路)で代替されている山陽道とは対照的である。
加えてそれぞれのバイパスが独自に建設を進めているため、開業時期もまちまち。一部区間は山陰自動車道が計画として策定される前の1985年に開通している一方、山口県内など2024年現在で計画すら定まっていない区間も存在する。
特に島根県内では開業済み区間と建設中区間が入り乱れており、県を縦断する場合は山陰道と下道(国道9号)を頻繁に乗り降りする羽目になる。そのせいもあって、全国的に見て絶滅危惧種のドライブインが県内には数多く残っているという。
ちなみに鳥取自動車道は、山陰・山陽間を連絡する「中国横断自動車道」の一部(岡山自動車道などと同類)であり、京都府から兵庫県北部を経由し鳥取西ICに接続予定の山陰近畿自動車道が事実上当路線と同一といえよう。
以下、高速道路およびA'路線の区間毎に記載する。
鳥取自動車道
鳥取西道路
2019年開通。
北条道路
2026年度開通予定。
東伯・中山道路
2011年開通。
中山・名和道路 / 名和・淀江道路
2013年開通。中山ICと名和ICの間に「中山・名和道路」と「名和・淀江道路」の境界がある。
米子道路
1998年開通。
松江道路
2001年開通。なお、「松江道路」は玉湯バイパスも含めた名称である。
山陰自動車道
2009年開通。宍道JCTまでは2003年に松江自動車道として開通した同路線との重複区間であり、純然たる山陰自動車道は宍道JCT~出雲IC間18.2kmにとどまる。
出雲・湖陵道路 / 湖陵・多伎道路
2024年度開通予定。両道路の境界は湖陵IC。
番号 | 施設名 | 接続路線名 | 備考 |
---|---|---|---|
↑山陰自動車道 | |||
31 | 出雲IC | 島根県道337号出雲インター線 | |
湖陵IC | 島根県道39号湖陵掛合線 | ||
33 | 多伎IC | 島根県道340号出雲多伎インター線 | |
↓多伎・朝山道路 |
大田・静間道路 / 静間・仁摩道路
2024年開通。両道路の境界は大田静間IC。
仁摩・温泉津道路
2015年開通。
江津道路
2003年開通。この区間は有料である。厳密には江津バイパスの一部。
益田道路
2025年度開通予定。現在は久城IC~高津IC間が一般道(島根県道333号久城インター線)で代替されており、それ以外の区間は2010年までに開業済み。
田万川IC~大井IC間
阿武町内の一部区間が「木与防災」として建設中であるが、その他区間は未着手。
萩・三隅道路
2011年開通。