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概要

後藤健二とは日本のフリーランスジャーナリスト。

宮城県仙台市出身で、世田谷区内の公立小中学校から法政大学第二高等学校に進み、1991年には法政大学社会学部応用経済学科(現・社会政策科学科)を卒業する。しかし、在学中にアメリカのコロンビア大学に語学留学した。

経歴

成人頃に、湾岸戦争が勃発、イスラエルに渡航し現地の大学生に話しを聞く。この経験がジャーナリズムの世界に興味を抱くきっかけになったのではないかと兄は見ている

卒業後に就職した日立製作所の子会社を入社3か月で退職したのち、東京放送系のテレビ番組制作会社を経て、1996年に映像通信会社インデペンデント・プレスを設立したものの当初は仕事は少なく、兄が経営する塾のアルバイトもしていた。

ジャーナリストとしては国内を主に活動し、余裕のある時には1年~3年間ずつ講師の仕事もこなした。

何年間かの下積みの後、海外での取材も成功し始めアフリカや中東などの紛争地帯の取材に携わる。

後藤家は無宗教であったが、後藤自身はいつしかキリスト教を信仰するようになり取材の際には小さな聖書を持ち歩いていた。1997年に日本基督教団田園調布教会で受洗する。

2006年、紛争地域の子供を取材した『ダイヤモンドより平和がほしい』で、第53回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。

2011年の東日本大震災では、被災地の石巻市や気仙沼市で日本ユニセフ協会の記録員を務めた。中東での取材中でアル=ヌスラ戦線に拘束されたものの、1日で解放された。

2014年10月に妻が夫婦の2人目の子供となる女子を出産。前妻との間にも一女をもうけている。

また、2012年頃、母親の誕生日を祝って後藤が食事会を開いた際の親子二人の写真が公開されている。

人物

小学生の頃から母は家族の元を離れて行き、父は多忙であったため、中学時代からは兄や姉に面倒を見て貰っていたが、米国留学費用のかなりの部分を母が負担、後藤の誕生日には母が高価なビデオカメラをプレゼントしたり、母子関係は決して疎遠ではなかった。

21歳の時、コロンビア大学留学中に母親の誕生日を祝って手紙を送ったことがある。

その愛の手紙が週刊紙『FRIDAY』等に掲載されたこともある。

と、ここまでは普通のジャーナリストであった。しかし、2014年から悲劇の道を歩むこととなってしまう

拘束

後に共に殺害される事となる湯川遥菜は、2014年4~5月頃にシリアの武装組織に拘束されていた。

当時、取材でシリアに入国していた後藤はその話を受け、湯川の救出に向かった。後藤が交渉した結果、湯川は解放された。この出会いがきっかけで二人は、帰国後も会食に行くなどして、交流が続く仲になった。

しかし、その年の8月に湯川はまたもや拘束。今度はなんとISILによる拘束だった。

それでも、後藤は日本政府に3度の忠告を受けながらも再び10月24日、トルコを経由してシリアに入国。

しかし、その日から11月1日の間(具体的な日付は不明)に遂に自身がISILに拘束されてしまう。

年は明けて2015年1月20日。

湯川と共にオレンジ色の服を着せられてジハーディ・ジョンの前に跪かせられる動画がYouTubeに公開、政府に殺害の警告が出される。

その月の24日、湯川が殺害されたとされる声明が出され、今度は自分が殺されるという声明も出した。

その交渉条件はヨルダンの収監されているサジダ・リシャウィの釈放をしろと言う物だった。

しかし結局、2月1日に後藤が殺害されたとみられる動画がYouTubeに投稿され動画の検証が行われた後、「信憑性が高い」とされ、その波乱万丈の生涯に幕を閉じたとされた。

2015年2月12日、国連安全保障理事会の決議の採択後、サマンサ・パワーは、「生涯を紛争について書くことに費やした」と称賛した。

余談

後藤健二が生前につぶやいたツイッターへのリツイートが極めて多く話題となった。ツイートの全文は次の通り。「目を閉じて、じっと我慢。怒ったら、怒鳴ったら、終わり。それは祈りに近い。憎むは人の業にあらず、裁きは神の領域。-そう教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった」

著作

著書

『ようこそボクらの学校へ』NHK出版DVD+book(2003年)

『ダイヤモンドより平和がほしい 子ども兵士・ムリアの告白』汐文社(2005年)ISBN 4811380010 - 産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞

『エイズの村に生まれて 命をつなぐ16歳の母・ナターシャ』汐文社(2007年)ISBN 4811384741

『ルワンダの祈り 内戦を生きのびた家族の物語』汐文社(2008年)ISBN 4811384970

『もしも学校に行けたら アフガニスタンの少女・マリアムの物語』汐文社(2009年)ISBN 4811386116

ビデオディスク

『世界の学校シリーズ』(ケイエムコンサルティング)

『ワールド・エコ・トラベラー』(ケイエムコンサルティング)[44]

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