曖昧さ回避
- 実在した小説家
- 『文豪とアルケミスト』に登場するキャラクター →徳冨蘆花(文豪とアルケミスト)
概要
明治~大正にかけて活躍した小説家、翻訳家。文豪といわれる一人で1868年、肥後国(現在の熊本県水俣)に生まれる。
本名は徳富健次郎。兄はジャーナリスト・思想家として有名な徳富蘇峰。後の同志社大学となる同志社英学校に入学し、語学に多大なる才を発揮し、海外の諸小説の翻訳を手掛けるようになった。また、兄が「民友社」に関与していたことで、小説家や詩人にも出会い、徐々に小説にも関心を抱くようになる。
そんな中『不如帰』が記録的ヒットとなり、小説家として一躍地位を得る。その後は掲載新聞の関係もあって社会派の小説や批評を多数発表するが、トルストイに傾倒する余り、晩年は半農生活を営むようになった。
エピソード
- 徳「富」ではなく、徳「冨」と表記することにこだわりを持っていた。ちなみに兄は徳富蘇峰である。
- トルストイの絶大な信奉者であり、本人に謁見したこともある。また、思想や人生観、余生にも大きな影響を与えていった。
主な作品
近代文学の大ヒット作品で、後に何度も映画化された。なお、別れの小道具にハンカチを用いるようになったのは、この小説がきっかけで、映画でも再現された。読みは昨今では「ほととぎす」だが、本人は前書きにもあるように「ふじょき」というタイトルにしていた。
- 思出の記 かつては青春文学の代名詞として知られたらしく、夏目漱石、里見弴などいろいろな作の物語に登場する。