劇中劇としての概要
『冴えない彼女の育てかた』劇中にて霞ヶ丘詩羽が「霞詩子」名義で著したラノベ作品。ジャンルはラブコメ。
不死川書店のファンタスティック文庫から発売されていたが、当初は編集スタッフが宣伝にほとんど力を入れず、全5巻のプロットが作られていたものの重版になる気配がなかったため、編集部は3巻での打ち切りを検討していた。
それを回避したのがTAKIという熱狂的なファンサイトの影響で、ネット通販ランキングラノベ部門一位を達成、詩羽の担当編集である町田苑子はTAKIこと安芸倫也と顔を合わせる機会を持った際、ファンタスティック文庫とファンサイトを連動させたステルスマーケティングや公式ファンサイト化を持ちかけたりした。
その後は順調だったが、倫也が語る妄想や要望に対して後続の巻で答えるなど、倫也に向けた作品作りをするようになっていく。だが詩羽の倫也への告白を発売前の最終巻の原稿に込めてを読んで感想を求めたところ、あくまで霞詩子のファンでいようとする倫也に拒絶され、以後詩羽は皮肉の意味で倫也を「倫理(りんり)君」と呼ぶようになり、物語開始までの3か月間関係がこじれたままになる。
作品のラストも詩羽がやる気をなくしたために本来のプロットとは違う形で完結した。
後に倫也に薦められて全巻を借りた加藤恵は、気に入って全巻を一気に読んだ。
登場人物
CVはアニメ本編でのキャスト
直人(なおと)
CV:水島大宙
主人公。沙由佳と真唯と三角関係になり、最終巻で真唯を選ぶ。
沙由佳(さゆか)
CV:米澤円
1巻から登場。帖文堂書店で直人と出会った。その時点ではメインヒロインと目されていた。詩羽が自分自身をモデルにキャラクター造型している。コミカライズ版の「冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム」によると、大学生となり少し成長した姿で詩羽の新作『純情ヘクトパスカル』にも登場することになった。
真唯(まゆい)
2巻から登場するヒロイン。一般読者の人気では佳よりも真唯のほうが上となった。コミカライズ版『冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム』によると、倫也が『恋するメトロノーム』最終巻の初稿を読むことを断り詩羽を「拒絶」したため、詩羽は自分の分身である沙由佳の代わりに、真唯と主人公が結ばれるエンディングに書き直した模様。
スピンオフ作品の概要
月刊ビッグガンガン(スクウェア・エニックス)2013年Vol.09号より連載開始。
作画は武者サブが担当。
本編や『冴えない彼女の育てかたFD』の詩羽の話を一部元にしているが、倫也によるゲーム制作の話は出ず、代わりに倫也が詩羽の担当編集者になり、詩羽による新作小説『純情ヘクトパスカル』の執筆についてを描いた内容となっている。
相楽真由をはじめ、本編にはほとんど登場しないキャラクターも登場する。
倫也が加藤恵と運命的出会いをしないルートなため
澤村・スペンサー・英梨々らはほとんどイメージ画のみの出番しかなく、恵に至ってはそれらしい人物の後ろ姿のみである。
ちなみにこの本のラストは、冴えない彼女の育てかたのラストファンイベントの朗読会で披露された倫也達のゲームの各ヒロインルートにおける詩羽ルートと同じである。