概要
Navel 10周年記念作品「月に寄りそう乙女の作法」の続編。
前作、「乙女理論とその周辺」はBADEND後のストーリーを描いた物であり、
純粋なナンバリングタイトルである本作が正式な続編ともいえる。
1作目から約十数年後の未来を描いており、
新規キャラクターは過去2作に登場した人物と関わりのある者が多い。
また過去作から引き続き数人のキャラクターが登場している他、
名前や姿は出ないものの、過去作のキャラと推測される人物が何人か話の中に出てくる。
また、例によって本作の限定版にも1作目に使用するアペンドディスクが同梱されている。
「萌えゲーアワード2014」にて12月発売の月間賞並びに、純愛系作品賞にて金賞を受賞した。
あらすじ
十数年ぶりに日本の地を訪れた一人の少年、桜小路才華。
彼は芸術総合学院「フィリア学院」の日本校で服飾生として最高の成績を収め、
そして年末の学院のショーで最優秀賞を獲得し、敬愛する両親への感謝の気持ちを伝え、
尊敬する両親の才能を超えることを強く胸に抱いて帰国した。
入学できる日を心待ちにする才華に元学院の関係者である伯父から知らせが届く。
「フィリア学院日本校のデザイナー科は来年度より男子部を廃止する」
憧れていた学び舎に入学できなくなり、その決定が撤回されないと分かって落胆する才華
しかし父親譲りの、まるで女性のような自らの容姿を自覚している才華は
性別を偽って入学する手段はないかと考えるようになる。
そしてフィリア女学院開校時から続く特別編成クラスの主従制度を用い、
入学する女生徒の付き人として学校に通うことを思いつく。
以前在籍したという伝説のメイド「小倉朝日」の名前を借り、
「小倉朝陽」としての才華の女装生活が始まろうとしていた。
主な登場人物
- 小倉朝陽/桜小路才華(CV:遥うみ)
本作の主人公。日本人であるが、母親譲りの白銀の髪と肌、紅い目をした少年。
アメリカの両親の元を離れ、その両親が卒業した学び舎で服飾生となるべく
十数年ぶりに帰国するが、目指していたデザイナー学科の男子部が廃止されてしまう。
フィリア学院に通うことを諦めきれず性別と名前を偽り、
「小倉朝陽」として、同じく海外から移住して通うエストの付き人になる。
日本に帰国してしばらくは実家である桜屋敷に住んでいたが、
入学祝いに伯父の衣遠が提供した66階建て高層マンション「桜の園」にオーナーとして住まう。
容姿だけでなく性格も母親譲りらしく、かなりのドS。
またプライドも高く、服飾生としての自分の才能に強い自信を持っている。
本編で名前は言及されていないが、彼の両親は間違いなくあの二人である。
- エスト・ギャラッハ・アーノッツ(CV:野々山紅)
メインヒロインの一人で、朝陽がメイドとして仕える主人。
アイルランドの貴族の家の出身で、容姿のよく似た姉妹が4人いる。
実家を離れアメリカのニューヨークで育ったが、進学の折に日本に渡り、
フィリア学院日本校服飾部門のデザイナー科への入学を希望する。
通学に際し、交流のある大蔵家の一員の、ルミネの紹介で桜の園に引っ越し、
そこで従者として朝陽を紹介される。
日本語は演劇のDVDを参考にしたため芝居がかってはいるものの割と上品な喋り方だが、
他の上流階級の者と交流が無い生活をしていたせいか、母国語だと口が悪くなる。
- 八日堂朔莉(CV:遠坂リリ)
メインヒロインの一人。桜小路家の本家と同等の名門の出。
「イトウ・サクリ」という名で子供の頃から海外で活躍する映画女優。
幼い頃からの夢である舞台女優として一から学ぶため、
フィリア学院の演劇科に入学、桜の園に移り住む。
小さい頃に一度訪れた桜小路本家の催し「観桜会」で、
誰もいない場所で一人ウィッグを外して白い髪を晒した才華の姿に一目惚れする。
以来その綺麗な姿に近づきたいと可能な限り髪を白く染めている白髪フェチで言動も変態的。
メイドとしての朝陽にもすぐに目をつけ、以来執拗なまでにアプローチをする。
- 銀条春心(CV:奏雨)
メインヒロインの一人。あだ名はパル子。
フィリア学院服飾科の生徒だが、朝陽やエストと違い一般受験クラス。
どんな場面でも楽しげに振る舞う女の子。反面、言動にやや幼稚な部分がある。
得意なことはずば抜けて強いが苦手なことはとことんダメなタイプ。
衣服製作の天才的な才能を持っており、朝陽やエストも驚くほど。
友人と二人で「ぱるぱるしるばー」というネットショップを開いているが、
製作は基本的に一人でやっているため、あまり数をこなせていない。
- 大蔵ルミネ(CV:遥そら)
メインヒロインの一人。フィリア学院音楽部門ピアノ科所属。
大蔵家前総裁、日懃が90を過ぎてから作った子供で、才華の大叔母に当たる人物。
日本にいた頃、体の事情で外に出ることができなかった才華にとって唯一の同世代の遊び相手。
彼女にとっても才華は唯一心を開けた相手であり、よく一緒に遊んでいた。
とある出来事が原因で才華に対して引け目を持つようになり、彼の頼みを断れなくなる。
才華の女装入学にも真面目な性格から反対していたが、最後には折れて主人探しに協力する。
若くして既に企業経営者として成功しているが、将来の夢はピアニスト。
フィリアでは音楽部門のピアノ科に入学し、才華のフォローも兼ねて桜の園に移り住む。