概要
ファンゴルンの森で暮らす樹木に似た容姿をした木の精霊<エント一族>の最長老。
シンダール語では森の名と同じ「ファンゴルン」と呼ばれており、「木の鬚」とはその共通語へ翻訳したものである。
尚、古代エント語における彼の本名は、彼の来歴をそのまま物語るものである為、非常に長大であり、また軽々しく他人に明かされる事もない。
始源の頃に生まれた者と呼べば、中つ国の英名の中で最も最初に現れたものに入り、第一紀以前にはベレリアンドに足を運び、タサリナン、オッシリアンド、ネルドレス、ドルソニオンの地を歩いていたといわれている。
劇中ではオークから逃れ偶然森に迷い込んだホビットのペレグリン・トゥックとメリアドク・ブランディバックを保護し、彼らの友人となり、見慣れぬホビットに興味を抱き、自身が暮らす小屋へと招いて持て成し、話を聞いている内に良き隣人だったはずのサルマンが悪に転じた事を確信。
これ以上森に被害が及ばない様にする為に寄合を招集しサルマンと戦う事を決議すると、奮起したエントとフオルンの大群を率いてアイゼンガルドへと進撃する。
戦いが終わった後、第四紀になって世界が変化しエントもこのまま消えていく運命を憂いていた木の鬚はメリーとピピンとの別れ際に、もしホビット庄でエントの女について何か聞くことがあれば、自分に便りを寄越してくれる様に二人に頼み、静かに森の中へと歩み去って行った。
余談
日本ではしばしば「木の“髭”」と書かれているが、原語の「beard」は顎鬚を意味している為、正しい日本語表記は「木の“鬚”」である。
ちなみに。煩雑さを避けるためなのか、平仮名で「木のひげ」とされる事も。