村岡隆
むらおかたかし
『賭博堕天録カイジ』の登場人物。
帝愛グループ傘下の裏カジノの社長。変則二人麻雀「17歩」の考案者。
「ざんす」を語尾につけるのが口癖。友情や信頼といった考えを持たず、目の前の金のみを信じる強欲な拝金主義者。あらゆる局面において、より磐石な成功を得ることに砕心しており、そのためには法を犯すことすら厭わない。
「人生は抜け道」を座右の銘とし、大学は帰国子女枠と替え玉受験に賄賂を使い、就職はコネ入社、出世はゴマすりとライバルへの姦計での裏工作と、どこまでも自分が楽に生きることしか考えていない。挙げ句、誠実に労働する人々を愚図と嘲笑って見下しており、邪知を駆使して苦労せず生きる自分のような人間こそが真のエリートだと嘯く。
裏カジノ経営と言う立場故にずっと脱税しているが、帝愛への上納金は「クソロイヤリティー」と腐しつつも払わざるをえないものと認識しており、会長の兵藤和尊を心中で「魔王」と毒づく。
完全に勝ち筋を確保した状態でないと勝負に出たがらずリスクを徹底して嫌い、部下(カイジとの対局の際は前田)に通しをさせることにより大金を得てきた。基本的には小心で狭量な小悪党だが、目の前で誰にも見破らせず堂々と不正を駆使し、常識を超えた作戦を突然閃くなど、カイジ同様追い詰められた段階で才能を発揮する勝負師でもある。
また、それまでカイジを慕っていた三好智広や前田を言葉巧みに唆して敵対させたりするなど、詐欺師として人の心を誘惑・煽動することにも長けている。
通しができなくなった後もイカサマを駆使して慎重に振り込みを避け続けてきたが、最後はノーリスクで楽して勝とうとする性格を逆手に取るカイジの計略により敗北。その代金として4億8000万を支払うことになり、あまりのショックに失禁。何とか支払いを免れようと身勝手な理屈・交渉をわめきたてるがことごとく一蹴され、結果手持ちの現金では足りず、自宅の土地と建物も徴収されることになった。
徴収される寸前に兵藤和也に対して、彼の「博打の敗者に対するむごい仕打ちが警察に知られたら……」と脅迫した際、村岡は豹変し、それを見るや自分の言葉の責任を部下たちに押し付けようとして、ちょうど到着した黒服たちに部下たちがさらわれそうになると、部下たちに暴行されて自分がさらわれそうになり和也に土下座。この時点で、和也がどういう人物なのかを部分的に語り、なおかつ読者に想像をゆだねさせた人物でもある。
ちなみに未婚。イカサマで撮った牌山の中身が写った写真がプリントアウトが完了した際には自分は新婚だと偽っていた(カイジは嘘だと見抜いていた)。あまりの唐突さに三好・前田も騙されていた。
曰く「食わせていくザンスよ…!結婚なんかしたら…生涯…いずれ必ず飽きる女を!」「しかも年々相手の態度はデカくなるというオマケ付きザンス…!アホくさ…!」