概要
梅田サイファーとは、大阪府梅田で行われていたサイファー(輪になって即興でラップをするセッション)、およびそこから派生したHIPHOPグループである。
2007年5月、「もっとラップがしたい」という思いから梅田駅の阪神百貨店と阪急百貨店を繋ぐ歩道橋でラッパーのふぁんくが萬、あきらめんと共に開始したサイファーが発祥。以後、毎週土曜日の夜に欠かさず行われるようになった。
その後mixiなどのSNSや口コミを通じて次第に参加者が増加。
しかし、あくまで「ただラップが好き」というだけで形成されたグループであり、不良でもなくストリートやクラブ文化とも馴染みのなかったことから、当時のヒップホップシーンからは忌み嫌われる存在であった。
その後大阪のアメ村を拠点に古くから活動し、MCバトル大会も主催する「韻踏合組合」のERONE、HIDADDYなどからそのスキルの高さを認められたことや、R-指定を筆頭に多くのメンバーがMCバトル大会で好成績を残したことにより知名度も向上した。
現在では、歩道橋でのサイファーは基本的に開催されていないが、主要メンバーがヒップホップグループ「梅田サイファー」として、楽曲製作やライブ活動を行うようになり今に至る。
ただしあくまでも個人の集まりであるため、一般的なグループやクルーのように固定メンバーや上下関係は存在しない。
2020年、KZ、KBD、KOPERUがどついたれ本舗「なにわ⭐︎パラダイ酒」の作詞を担当。
2022年にはキングオブコント2022のOPソングを担当し話題になるなど、HIPHOPファン以外にも支持層を広げつつある。
2023年3月、ソニー・ミュージックレーベルズからメジャーデビュー。
主なメンバー
- R-指定(CreepyNuts)
- 高校生の時に友人のラードの勧誘をきっかけに参加。UMB全国大会で史上初の3連覇を果たした名実ともに最強のMC。かつてKOPERUらと「コッペパン」というユニットを組んで活動していた。
- KOPERU
- 高い声と軽快なフロウが特徴のラッパー。10代のラッパーが少なかった時期から積極的にMCバトル大会に出場しており、2009年に行われた「B-BOY PARK U20」では当時17歳ながら優勝を果たすなど多くの大会で実績を残してきた。
- KennyDoes
- 2011年頃、KOPERUに誘われたことをきっかけに参加。「コッペパン」のバックDJやKZとのユニット「KZ and doiken」としての活動を経て、現在はソロ活動にも力を入れている。かつてはドイケンと名乗っていた。
- KZ
- 第2回のサイファーから参加している最古参の1人。梅田サイファーのリーダー的存在で、KBD曰く誰よりも梅田サイファーを大事にしている男。2018年のUMB全国大会ではベスト8入りを果たした。
- peko
- かつてはDJ一本であったがその場のノリでラップをしたことをきっかけにラッパーとしても活動。フリースタイルダンジョンではラスボス般若まで到達したことがある。DJとしてMCバトル大会に参加することも多い。
- KBD a.k.a 古武道
- ラップを始めたのは25歳と比較的遅め。ユニークなライミングに定評があり、2019年のUMB全国大会ではベスト8入りを果たした。見た目がゴリラに似ていることをいじられることも。関西大学卒。
- テークエム
- サングラスがトレードマークのラッパー。音源のクオリティが非常に高く人呼んで梅田の最終兵器。CreepyNutsのロゴデザインを担当するなどデザイナーとしても活躍。
- SPI-K
- 元々は梅田サイファーのファンであったが紆余曲折あって2019年から専属DJとして参加。
元メンバー
- ふぁんく
- 初期メンバーの1人。バトルでの様子からギャグラッパーと揶揄する者もいるがスキルは非常に高く、特に即興で韻を踏むことに関しては梅田サイファー随一。2019年のUMB春選抜では優勝を果たした。2021年8月7日をもって梅田サイファーから脱退。