概要
スクウェア・エニックス発売の日本語版『CoD:MW2』に登場する誤訳。
空港襲撃ミッション「No Russian」冒頭でロシア人テロリストのボス、ウラジミール・R・マカロフが発する台詞及び字幕。
北米版での原文は「Remember - no Russian.」
「ロシア人は不要」という意味で訳したものと思われ、直後にロシアの空港で虐殺を行うため、これだけならさほどおかしい訳ではない、むしろこの一瞬なら自然とも取れる。
しかし、このステージを最後までプレイすれば、ロシア人テロリストが正体を隠すため「ロシア語は使うな」と言い聞かせていたこと、ロシア人の関与を否定する意味での「ロシア人じゃない」というダブルミーニングであったことが判明する。
日本語版とドイツ語版では虐殺描写に修正が入った結果、プレイヤーがセリフの指示通りに無抵抗のロシアの民間人を殺すとゲームオーバーになる上に反撃してくる警備員を無視すると「臆病者」と味方に殺されるという、二重トラップを誘発するセリフになってしまった。
さらにミッション直前のブリーフィングムービーでも「対価は君自身で支払うことになるかもしれない」と訳すべき所を「様々なものが犠牲になった、君もその犠牲に含まれるがな」と訳したことにより、ミッションのネタバレを暴露されたと解釈するプレイヤーも存在している。
このゲームには他にも意味が正反対になる誤訳が山のようにあり、もはやネタとして確立しているといえるかもしれない。
誤訳の山は開発と同時にローカライズが進められたために翻訳後にシナリオが変更になるということも起きていたことに加え、情報流出を恐れて絵や映像等の資料は一切渡されず、字のみの英語のテキストだけがスクエニに渡されたため、どのような状況での発言かが一切分からずに翻訳する羽目になったという環境の問題でもある。
スクエニによると、一応はアクティビジョン(とデベロッパーのInfinity Ward)側に翻訳を確認してもらったとのこと。
『CoD:MW3』同じシーンが回想として登場した際はこの誤訳は修正され、本来の「いいか、ロシア語は使うな」となっている。
待ちに待ったMW2自体の修正
CoD:MW2リマスターでは発売前は字幕だけ修正して音声はMWRと同様に英語音声日本語字幕になるのではないか、と思われていたが、なんとまさかのMW2当時の担当声優をひっさげ「いいか、ロシア語は使うな。」と修正され、他の誤訳も修正された。
民間人を撃ってはいけない規制は日本やドイツでは変更されず、元のMW2においてはロシアではキャンペーンを削除することで発売禁止を避けたがMW2Rではゲーム自体が販売禁止となってしまった。
関連タグ
焼け野原ひろし(このセリフを発したマカロフのこと。ただしMW2の次点ではひろしではない)
警告:ここから先CoD:MWIIのキャンペーンモードエンディング後のネタバレあり、未プレイの場合閲覧非推奨
2022年。
ロシア語のアナウンスが流れる旅客機の中で、テロが起ころうとしていた。
金属探知機に引っかからないプラスチック製の銃身、アクセサリーや日用品に仕込まれた銃の部品、料理の蓋に仕込まれたマガジン…
凶器となった銃を片手に、PDA端末に表示されるイニシャル「M」とのやり取り、Mはこう返信する。
「No Russian」と…
そして、物語はMWIIIへと続く…