概要
本名は吉村芳三郎。俳名に其水。別名に古河黙阿弥。
天保6(1835)年五代目鶴屋南北に入門、勝諺蔵と名を改める。天保14年に立作者となり二代目河竹新七を襲名した。
嘉永7年(1853年)に四代目市川小團次のために書いた『都鳥廓白波』(忍の惣太)が出世作となった。
代表作は他にも『青砥稿花紅彩画』(白浪五人男)、『北条九代名家功』(特に三幕構成のうち第一幕の『高時』※)などがある。
※あとの幕は『本間山城の忠義』(第二幕)、『新田義貞の奇跡』(第三幕)、活歴物の作品は観客受けが悪かったが、『高時』では、昔も今も変わらない権力者の愚かさという主題と単純明快な筋と天狗舞の面白さから、現在においても上演が続いている例外的な作品である。