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概要

遡及とは「過去のある時点までさかのぼること」という意味で、不遡及とは「過去のある時点までさかのぼらないこと」

法の不遡及は法令の効力が及ぶ範囲はその法が施行されるより後のみとし、施行以前の案件までさかのぼって適用しないという理念である。ただし強度の公益性が認められる場合は遡及適用が認められることもあるが、刑罰法規に関しては遡及適用が認められない。


例えば現代に於いてはごく限られた用途以外で使用すると罪に問われるヒロポンだが、1951年の覚せい剤取締法施行前は普通に流通しており、罪に問われることもなかった。このヒロポンが合法だった期間中の所持・使用は覚せい剤取締法施行後も罪に問われない。

これも一例である。


法の遡及を認めて仕舞えばどのような行為がどんな罪に当たりどんな罰があるか事前に定めておくべきという罪刑法定主義がなりたたなくなる。自分が今行なっている行為が未来永劫合法である保証などないからである。


ただし司法に於いては重視されるが軍事裁判においては法の遡及が認められる。東京裁判やニュルンベルク裁判では『犯行当時』には制定されていなかった国際法によって戦争犯罪人が指定され戦犯が処刑された事例がある。


問題視された事例

埼玉県水着撮影会直前中止問題(2023年)

2023年6月に埼玉県の県営公園で開催予定だった水着撮影会が、共産党(日本共産党埼玉県議会)の申し入れで開催直前に中止となったことがSNS上で波紋を呼んでいる。仕事を奪われる格好となったグラビアアイドルや、弁当の注文を受けて仕入れも済ませていた弁当店等から抗議の声があがっており、損害額の補償が税金で支払われる可能性も考えられている。


しかしながら、この以前から行われていた水着撮影会において事前の取り決めで禁じられていた未成年参加者による過激なポーズによる撮影などがされていたことから市民から予てから苦情が寄せられていたことが判明しており、共産党からの申し入れ以前の問題だったことも判明している。

関連記事(朝日新聞デジタル・2023年6月9日 23時02分)


共産党が求めた中止理由について、法的な観点からも議論が起きている。弁護士平裕介氏はTwitterで「『都市公園法第1条に反する』という理由で『貸し出しを禁止するよう県に申し入れ』をしたようだが、これは、同法1条の解釈・適用を間違った違法な申入れだと考えられる。不法行為の疑いもある権力者の暴走だろう」、同じく弁護士の戸舘圭之氏も「その論法でいけば下手すりゃメーデーとか赤旗祭りだってダメにされかねないですよ。。」と指摘した。


埼玉県公園緑地協会は水着撮影会へのプール貸し出しを禁止した理由について、(1)成人女性であっても過激な衣装や過激なポーズをしていたこと、(2)未成年の出演が確認できたことの2点のルールを守らない水着撮影会があったこと、を理由であるとしている。


ただ埼玉県公園緑地協会の担当者に話を聞くと、(1)の過激な衣装やポーズを禁止するルールは今年1月に決まり、(2)の未成年の出演にいたっては、それまでの利用規約に禁止する項目がなく、県民からのメールを受け、6月頭に急遽決まったものだという。


近代麻雀水着祭が(1)に抵触すると思われる画像はネット上で見つかる一方で、近代麻雀水着祭は6月頭には開催されていない。つまり近代麻雀水着祭が過去に未成年を出演させていたとしても、その時点ではルールを破ってはおらず、そこを問題視するのは後出しじゃんけん、ゴールポストを動かしていることになると、法の不遡及の点から問題視する声も上がっている。

関連記事(デイリー新潮・6/9(金))


関連タグ

 法令


罪刑法定主義


外部リンク

法の不遡及 - Wikipedia

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