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港のトレイジア

みなとのとれいじあ

冒険に憧れる若者ロイと仲間たちの冒険の旅と恋人トレイジアの待つ港町に戻るまでを描いた日本テレネットのメガドライブ用RPG。
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その話には、伝説の勇者や神の使いなどは出てきませんでしたが、恋と冒険と夢に満ちあふれた、楽しく、悲しく、またワクワクする異国の世界や、旅の話が聞けたそうです。


ストーリー


少年の名はロイ。

旅の知らず、戦いも知らなかった18歳の少年。


港町ヨハンナに住む少年ロイは、旅の商人の叔父と共に故郷の町を出る事にした。

恋人のトレイジアを残しての出発だったが、トレイジアはロイを引き留める事なく、いつまでも帰りを待っていると約束してロイは旅立つ。


そして・・・いくつもの山を越え、いつくもの森を抜け、サロンの国にたどり着いたロイは、商人しか入れない南方諸国へ行く叔父と別れる事になった。


サロンの町に1人残されたロイは、正体不明の剣士バネジー、凄腕剣士のマゼラン、魔法使いの少女ベリーヌらと、なし崩し的にパーティを組んで旅する事になった。


いま、長い冒険の旅が始まる。


概要

1992年2月14日に発売された日本テレネットメガドライブ用RPG。


ドラゴンクエストファイナルファンタジーといったRPGと異なり、世界を冒険する事を夢見て旅立った少年と、その少年の帰りを待ちわびる少女の物語という、伝説の勇者や強大なドラゴンや大いなる神々など登場しない西洋風ファンタジー世界における等身大の冒険を描いたRPGで、ゲーム途中に恋人トレイジアとの思い出のシーンを何度も挿入する等、偉業を達成するのではなく旅を終えて故郷に戻る事に重点を置いたストーリー構成となっている。その為、魔法の概念はあるものの、主人公は一介の冒険者と言う扱いで進む。


基本的には、フィールドマップ画面を移動して、会話したり、仲間と相談したり、お使いしたりしながら進み、戦闘になると、仲間を駒に見立てたタクティカルバトル的な戦闘を行い、経験値を貯める事でレベルアップする。


メインのデザインを担当した前田真宏の手による等身大の冒険者達と、叙情的な世界を描いたイラストにより、魅力的なストーリーのプロットは良くできているのだが、このゲームには独特の世界観を楽しむ事を阻害する要素が多すぎたが為に、いわゆるクソゲー扱いされてしまっている。


眼に見える問題点として、本作は明らかに開発途中の状態のものが発売されたと言わざるを得ない中途半端・未調整な点が多々見られる。


※日本テレネット上層部は、ゲームの内容そのものに口出ししないかわりに厳しいスケジュールで締めつけていた事で有名。メガドライブ用ソフトには他にもデバッグ途中で発売したと思われる大きなバグを抱えたソフトがある。


まず操作性が悪い。マップ画面を移動中に妙にひっかかる感じあるうえにスクロールがカクカクしている。その為、障害物にとてもひっかかりやすい。


また、初期型のメガドライブではフリーズする可能性が高い。


※フリーズについては、東亜プラン等の後期メガドライブタイトルの多くでみられた現象な為、開発機材側の問題と言えなくもない。


ゲームシステム面にも、戦闘中に回復アイテムや回復魔法が使えないと言う戦略上の致命的な欠点がある為、防御を中心としたとにかくダメージをくらわないようにする事に苦心させられる。一応、1人の仲間を除いて、途中からほぼ敵からのダメージは0になるほど固く出来るのだが、ゲームバランス的にどうかといわざるをえない。


シナリオ的に難しい謎は存在しないものの、見えない階段や、完全に真っ暗なダークゾーンといったつくりかけ感が非常に強いマイナス面が響いて、途中でへこたれてしまう可能性が高い。またバネジールートが存在しない事も折れる原因だと言うユーザーもいる。しかもデバッグコマンドで前の章に戻ったり、先の章に進んだり、いきなりエンディングを見る事ができたりする。


あきらかに開発途中でリリースした為にマイナス面が多く、このソフトのポイントな部分が覆い隠されてしまったところはあるが、前記の通りストーリーそのものは良くできている。大事な事なので二度言いました。


登場人物

  • ロイ

港町ヨハンナに住む18歳の若者。

世界中を渡り歩く事を夢見ており、旅の商人をしている叔父に誘われて旅に出る事にした。

町を出る際、恋人トレイジアから渡されたペンダントをみては彼女の事を思い出す。


  • トレイジア

ロイの幼馴染で恋人。港町ヨハンナでロイの帰りを待っている。


  • バネジー

ロイの仲間の1人で、全身を鎧で固めて顔も隠している剣士。

ロイが叔父と別れたサロンの町でなし崩し的にパーティを組む事になる。

実は滅亡した国の王女で、女として生きることを否定する為に仮面をかぶるようになった。

ゲーム中でも彼女には悲劇と言う言葉が次々と襲いかかる。


  • マゼラン

ロイの仲間の1人で。巨大な剣を背負った凄腕剣士。

傭兵崩れの為に正義感と言うものはもっていないが、なし崩し的に組んだパーティーで旅を続けるうちに組んでいる事にまんざらでもなくなる。

仲間キャラで唯一魔法が使えない為、とあるアイテムを装備できない事から、戦闘時にダメージを軽減する手段を最も考えなければいけないキャラ。


  • ベリーヌ

ロイの仲間の1人で、北の総本山からやってきた魔法使いの少女。

魔法使いながらも、ゲーム性を意識してMP消費量が多めに設定されている本作において、MP最大値が以外と低いという弱点をかかえており、どちからといえば魔法よりも弓による攻撃が中心となる。


  • フロイド

サロンの領主の側近を務める魔法使い。一時期ロイの仲間に加わる。

バネジーのファンにとっては、第1章の段階でミンチにしておきたい存在。


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