概要
1996年、SFC用ゲームソフトとしてパック・イン・ビデオから発売された。シリーズ第1作目であり、シリーズの原点である。
略称は「無印」や「初代」、「SFC版」など。
本作を発売した「パック・イン・ビデオ」は程なくして「ビクター・インタラクティブ・ソフトウェア(パック・イン・ソフト)」へ、2003年に「マーベラスインタラクティブ」、そして2007年に「マーベラス」へと社名変更が繰り返されながら現在に引き継がれている。
メディアミックスとして97年から99年まで「小学四年生」にて、キャラデザインを担当したまつやまいぐさ氏による漫画が連載されていた。
「主人公が牧場経営をする」以外はオリジナルストーリーで連載されており、男主人公が主役の「ピート編」と、漫画オリジナル主人公「クレア編」の2種類がある。
これらの漫画版は単行本での発売はされていないが、PSソフト「ハーベストムーン」の予約特典として配布された。
2022年3月31日に『Nintendo Switch Online』の「ファミリーコンピュータ & スーパーファミコン」に追加された。
ストーリー
両親から修行と言い渡され、一人祖父が経営していた牧場にやってきた主人公。
荒れ果てた牧場を、活気あふれる姿にすることはできるのだろうか。
システム
シリーズ最初の作品であるため、当時と現在では違っていたり、粗い部分がある。
- 期間は1年目の春から3年目の夏までの2年半。高評価による延長などは一切ない。
- 一日は朝6時から夜6時までの12時間しかなく、ベッドで眠るまで翌日にならない。
- 時計が1年目の夏までに1回目の増築を終わらせないと入手できない、という期間限定品。
- 作物は午後5時までに出荷箱にいれないとムダになる。
- 道具は一度に2つまでしか持てない(リュックサックがないため)。
- 作物は一度に1つまでしか運べない(リュックサックやかごがないため)。
- 育てられる作物は全部でカブ、じゃがいも、トマト、トウモロコシの4種類。また秋冬は作物が育たない(後のシリーズでは秋用作物が出たり、ビニールハウス等があれば可能になった)
- 山のきりかぶ、果物などは画面を切り替えると復活する、などなど。
特に顕著なのは夜6時になったら時間が進まないという部分だろうか。ベッドで寝るまで翌日にならない。普通なら何もすることがないのですぐに寝てしまうだろうが……
時間が進まないということは、体力を回復できる手段とプレイヤーの根気があれば、一晩で荒れた牧場を綺麗にすることも可能ということである。
道具のレベルアップも自主的にではなくイベントを通じて行うので、初期状態の道具で資材調達や、大きな岩を片づけることができた。ただし牧場は初作ながらも結構広いので、移動とか割と大変である。
体力回復手段の一つ「温泉」はこの頃より登場していて、山にある。
この頃は「1回入るごとに○ポイント回復」という仕様且つ「1日1回まで」などの制限もないので、
出る→入るを繰り返せばなんと満タンにすることができる。
これらの手段を用いて、初日から牧場整備を終えるプレイヤーが多かった。…これでは「牧場物語」ではなく「温泉物語」である。
もうひとつは、時間を知るための時計が期間限定入手という点だろうか。
1年目の夏の月までに1回目の自宅の増築を終えることが条件という、少し難易度の高いものである。
資材の方は上述によってなんとかなるが、問題は代金である。
「リュックサック」がないので、収穫物を一度に運べるのは1個まで。
更に序盤のうちは出荷物は主に山にあるものなので、2回、3回の往復を繰り返すだけですぐに時間切れ、というのもザラ。出荷額300Gの魚を狙うと更に時間勝負となる。
もし狙うならしばらく住人との交流は後回しにして資金稼ぎに精を出そう。
この時から結婚も可能。奥さんになると女の子の衣装と髪型が主婦モードに変わり、結婚した実感が湧く(髪の色は、結婚前と同じだが)。
奥さんは牧場の掃除をしてくれ、しかも作ってくれる食事の内容が、キャラによって一人一人異なっている。
子供も生まれ(性別はランダム)、他作品と異なりだっこする事ができる。
ちなみに、二人目が生まれることもあるが、如何せん期間はわずか2年半である。つまり二人目が欲しい場合はかなり相当がんばらないといけないので注意すべきである。
ただし、大切にしないと奥さんが実家に帰ってしまうというイベントも発生する。
家畜は牛と鶏の2種類。牛12頭、鶏12羽まで飼育でき、エサは共通して「かいば」。
鶏は卵を孵化箱にいれたら増やせる。牛は「牛のタネ」というアイテムを使うと21日後に出産するのだが……
実は、とある裏技をつかって、あるアイテムを使うと1日で出産できてしまうものがある。しかし、最高まで飼うと処理落ちをしてしまうので、使用の際は十分気をつけよう。
妊娠でお腹が大きくなり、ころころとしか動けない牛さんは見てるだけでもかなりかわいいのが必見。
登場人物
●主人公
両親から「修行」と言い渡されて牧場にやってきた青年。
青い帽子にオーバーオール、ピョンと飛び出た前髪が特徴。
(パッケージでは緑の帽子になっている場合も。また、青い目をしていることも確認できる。)
花嫁候補
町に住む5人の女の子。ライバルキャラは存在しない。
- エレン
食堂の娘。動物が好き。「牧場物語2」に登場する「エレン」と同一人物であり、エリィの祖母である。
- ニーナ
花屋の娘で花が大好き。しかし売るほど持っているので花をプレゼントしても喜ばない。「牧場物語2」のポプリの祖母にあたる。
- アン
道具屋の娘。色恋沙汰よりも発明が趣味。「牧場物語2」のリック、グレイ、ランの祖母にあたる。
- マリア
町長の娘。教会でオルガン奏者をしており、信心深い。「牧場物語2」のマリーの祖母にあたる。
- イヴ
酒場の娘。会えるのが夜5時以降なので、時間が進まないという仕様上、好きなものをプレゼントすればすぐ仲良くなれる。「牧場物語2」のカレンとクリフの祖母にあたり、二人の髪色に混ざる金髪は彼女の遺伝らしい。
年間行事
夏の月だけ行事がない。
春の月
- 新年祭
春の月1日に行われる。参加できるのは2年目以降。
- 花祭り
広場でお祭り。香水や珍しいものが販売されている。
秋の月
- 収穫祭
みんなで食材を持ち寄って鍋を作って食べる。あるものを入れると1度だけ「力の木の実」が入手できる。
- 卵祭り
提示された色つき卵と同じものを広場から探して持ってくるゲーム。無い時もある。
優勝すると景品がもらえる。
冬の月
- 冬の感謝祭
所謂バレンタイン。愛情度が一定の女の子からケーキをもらえる。
- 聖夜祭
所謂クリスマス。事前にお目当ての子からどの場所で過ごすかを聞くことができる。しかし素直に教えてくれない子もいる。
関連リンク
関連タグ
牧場物語2:数十年後の世界。結婚候補たちの孫娘たちが新たに嫁候補になる。