概要
王権者(おうけんしゃ)とは、異能の源であるドレスデン石盤に王として選ばれ、異能を与えられた存在。この世の理を体現し、強大な特殊能力とカリスマ性を持つとされる。
各王は色で呼称され、第一王権者から第七王権者まで存在する。
王権者は王以外の異能者と比べ、強大な異能を持ち、一部を除き身体能力も遥かに上回る。異能はそれぞれの属性にあったものを所持しており、
「インスタレーション」という儀式を行うことで、異能を他者に分け与え、異能を持った臣下「クランズマン」にすることができる。王と王に従うクランズマンの集まりを「クラン」と呼ぶ。
王は自身の王権と同じ色の広域結界「サンクトゥム」を展開することができ、この結界内ではクランズマンの能力が底上げされる。
クランズマンに与えた異能は王権者が奪うことはできず、裏切って他の王に鞍替えしても異能は引き続き使用できる。そのため作中では二色使いや三色使いが登場している。
王が異能を使う際に王の異能の使用量、異能による因果律の歪み度合いを「ヴァイスマン偏差」として数値化されている。
強大な力が使うほど数値が大きくなり、一定数を越えると王の頭上に剣の形をしたエネルギー結晶体「ダモクレスの剣」が顕現する。ダモクレスの剣は王の力や危険性の象徴とされる。剣は王の状態も表しており、精神や肉体が限界状態だと剣は崩壊していく。王が死亡した時には剣は消滅する。
王が力を暴走させる、王の精神が限界を迎える、ドレスデン石盤から王が力を引き出しきってしまう、などの状態になった時、ダモクレスの剣は王権者目掛けて落下し、大爆発を引き起こす王権爆発「ダモクレスダウン」を引き起こす。一度限界を迎えると王権者でも剣を消すことはできず、王権者を殺す、もしくは王権者が異能を失わない限りダモクレスダウンを止めることはできない。また王権者がダモクレスダウンに巻き込まれると不安定化し、連鎖的にダモクレスダウンが発生してしまう。
作中時期より数十年前、先代「赤の王」迦具都玄示のダモクレスの剣が暴走・落下する「ダモクレスダウン」を発生させた際には、関東南部を中心に大爆発によって半径数十㎞の範囲が壊滅し、70万人以上の犠牲となり、「迦具都クレーター」を形成した
一覧
- *第一王権者「白銀の王」
王 : アドルフ・K・ヴァイスマン
属性は「不変」。不老不死の王。全ての始まりの王にして天上の監視者。白銀のエネルギーを放つ異能と、自身の変化・外部からの干渉を無効化する「不変」の異能を持つ。この力により、たとえ肉体を灰にされてもいずれ復活する。唯一、無色の王の王に干渉する異能の影響は受ける。
白銀のクランズマンは身体が白銀に輝き、異能や身体能力が飛躍的に向上する。また、白銀の王ほどではないが、「不変」の異能により防御力が向上する。
- *第二王権者「黄金の王」
王 : 國常路大覚
「運命」「繁栄」の象徴。黄金のエネルギーを操り、斥力と引力の様な力を使う。現在最強の王にして地上の支配者。
黄金のクランズマンは「才」を最大限に引き出される。そのため、必ずしも異能に目覚めるわけではなく、プログラミングなど、異能とは無関係の才能に目覚めることも多い。
異能に目覚めたクランズマンは、黄金のエネルギーを操らことに加えて、それぞれ固有の異能に目覚める。作中では「再生」の異能が登場している。
- *第三王権者「赤の王」
「暴力」の象徴。炎の異能と高い身体能力を得る。代わりに性格に関わらず、常に強い破壊衝動に苛まれる。
赤のクランズマンは炎の異能と高い身体能力を授かる。また、身体のどこかに吠舞羅のマークが浮かび上がる。
- *第四王権者「青の王」
王 : 宗像礼司
「秩序」「制御」の象徴。内部のものを制御する結界の異能を持ち、それを防御や攻撃、移動に捕縛など幅広く転用する。青の王の結界は内部の異能を完全に制御し、静止させることが可能。
青のクランズマンは結界の異能を授かるが、結界は異能を内部に閉じ込める程度。
- *第五王権者「緑の王」
王 : 比水流
「変革」「改変」の象徴。緑の雷の異能の使用と改変の異能を持つ。物理法則の改変で身体能力向上や物体の透過が可能。コンピュータと相性が良く、SNSアプリ「jungle」で不特定多数のクランズマンを作る。
クランズマンは緑の雷の異能と改変の異能を持つ。インスタレーションを行わずに「jungle」の利用者をクランズマンにできるが、擬似的なもので、本当のクランズマンよりも異能の力が弱く、また緑の王の意思で異能を剥奪できる。
- *第六王権者「灰色の王」
王 : 磐舟天鶏
守護の王。「絶対守護」の属性を持ち、霧のサンクトゥムを展開する。霧を操る異能を持つ。
灰色のクランズマンは数十年前の迦具都クレーター事件て全滅し、以後新しく作っていないために未登場。
第七王権者「無色の王」
最弱の王にして道化の王。代替わりごとに固有能力が異なり、王同士の関係や均衡をかき回すトリックスターの性質を持つ。
無色の王は身体能力は多少は上がるが、クランズマンに追いつかれる程度。透明なエネルギーを放つこともできるが、作中ては青の王の異能を吹き飛ばしただけでダメージを与えていない。代わりに、固有の異能はいずれも王に干渉できる性質を持ち、不変の異能を持つ白銀の王にすら干渉しうる。ただし、一方的に干渉できるわけではなく、王権者クラスであればある程度は抵抗・妨害は可能。
三輪一言は「予知」の異能を持ち、王の未来すら見通すが、同時に王の未来は見にくいとされる。
キツネ煙は魂を目から狐型の白い煙状で放ち、対象の目から侵入し、憑依することができる。憑依した際、対象の人格や異能を取り込んで自らのものにすることができる。憑依体の人格は複製しているだけで、消滅はしていない。赤の王に使用した際は力づくで追い出され、白銀の王に一度目に使用した際は、王に干渉する異能と不変の異能と衝突した影響で魂を取り逃し、二度目は王の力で弾かれ、三度目は徐々に抑えられなくなっていたが体内に捕らえられた。
無色のクランズマンは、個人によって異なる異能が発現する。