「このパラシュートは本当に安全なんだろうな?」
『はい! その証拠に今までパラシュートが故障した。などといった苦情は 一件も寄せられておりません!』
概要
例えば負傷した兵士に聞いてみたとする
「被弾して最も痛かった(ダメージが大きかった)部位はどこだったか?」
……答えは言うまでもなく頭である。ただしそう答えられるのはほぼ居ない
もし、上述の質問が兵士の生存率を高めることを目的としたアンケートだったとする。生還した兵士達は自分達が負傷した部位を答えるだろう。するとアンケートを実施した者はその部位を防御する防具などの作成を行うことで対策するというミスを犯してしまうかもしれない。
何故それがミスかというと、「生還した」兵士達が回答した負傷部位とはすなわち、「負傷したにもかかわらず生還できる部位」であり、防具で守るべき優先順位は低い可能性が高い。この場合、真に注目すべきは物言わぬ死者の死因となった負傷部位なのだ。
この様に無作為にデータを集めたつもりでも、実際には特定の条件(上の例の場合は生存者が条件)で選別されてしまっている場合がある。この様な原因で発生する判断を致命的に誤りかねないデータの偏りを生存バイアスと呼ぶ。
解説
帰った人のデータは残るが、帰らぬ人のデータは残らないのだ
よくある「昔はこれで平気だった」という意見だが、ならば
平気じゃなかった意見はなぜ聞かないのだろう?(それとも昔というのは若い頃の意か?)
- 「昔はいじめなんてなかった!」→よく親や教師から理不尽に殴られてました
- 「昔はアレルギーなんてなかった!」→そんなものはタダの甘えと言われてました
- 「昔の子供ならば大丈夫だった!」→子供はすぐ死ぬので一人っ子なんて考えられません
もっとも奨学金(学費。バイトで賄えた)やヒートアイランド現象(猛暑。クーラーなくても過ごせた)に関してはそれ以前の問題であるが(詳細は追記で)……。
関連タグ
統計 統計学 死人に口なし しくじり先生 スタージョンの法則 でんでん現象 ゲーム理論 多産多死 r戦略
外部リンク
togetter 軍用機の被弾データや熱中症、あとブラック労働などに関する