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概要編集

「雀荘争奪編」に登場するバイニン。ゴロツキを率いるギャングのボス。

オリジナルである阿佐田哲也の『麻雀放浪記』番外編とは結末を除けば設定が大きく異なっており、本キャラクターは原恵一郎のオリジナルとなっている。


人物編集

鋭い目つきと浅黒い肌、白髪が特徴で、通称の元にもなっている。

戦前生まれで、母親が日本人の混血児であり、当時は黒髪だった。その出自と戦時中の境遇ゆえに迫害を受け続けてきており、疎開先の教会の神父と同世代の子供たちが心のよりどころであった。

日本が敗戦となると、今まで迫害してきた日本人たちが「戦勝国民の子」「ついていけば何かに在りつけるかも」と手のひらを返したように優遇しようとするも、「母親が日本人」と横槍を入れられて、さらに手のひらを返し蔑み、こうも簡単に二転三転と心変わりする大人たちを見続けてきたために人間不信に陥り、自身が大人になるころには白髪に染まっていった。

やがてその経緯から「聞きたくもない声が聞こえてくる」読心術が身に付き、その能力で麻雀において様々なイカサマを駆使するバイニンたちをのけてきた。やがてギャングを率いるボスとなり、周囲からみかじめ料を徴収するなどで食いつなぐようになる。

また、自身が混血児であり英語が堪能であることを生かして在日米軍の基地に赴いて麻雀でアドバイスする役割も務める。

やがて、チンロク(原文ママ)が経営する雀荘「花」に赴いて、チンロクを立ち退かせようと目論み、坊や哲・森サブと交戦する。


真実編集

実は、ガスの読心術や、チンロクを立ち退かせようとしているのには大きな秘密があった。


ガスの読心術は、並みの人より心理行動を読むのに鋭いに過ぎず、更にそれを見てガスを信奉する部下達が噂を流したり、ガスを信じる空気によって神格化されたもの。その能力も相手がなるべく普段通りを保っているときにのみ発動するものであった。

坊や哲はガスの能力を怪しみ、「外が寒いのに雀荘の中は暑い」として窓ガラスを割り換気する。その結果、寒さによって筋肉の萎縮や体温の低下によってノイズが増え、坊や哲の手牌は読めず役満に放銃してしまう。


さらに、チンロクを立ち退かせようとした理由は、雀荘「花」は、かつてガスが居場所にしていた教会だったのである。雀荘「花」が建立していることにガスはそれを許せず、「花」以前の雀荘のマスターともみ合いの末に殺害してしまう。その死体を現在の「花」の地下に隠蔽し、目的を達成したら警察に自首して懺悔するつもりであった(森サブ談)。

坊や哲・森サブとの勝負後、ガスの手下がその真実を聞き激怒し、「あんたがいたから俺たちは俺たちでいられたんだ!」と泣きながら銃殺されてしまう。ガスがいるから仲間たちは纏まっていたが、彼の引退を仄めかされ、仲間たちの統率は乱れ始めており、彼がトップからの引退は、仲間たちを放り捨てるだけだと指摘され、仲間が見えていなかった過ちを悟り散り際の台詞は「許してくれ…」だった。


関連タグ編集

凌ぎの哲 哀しき悪役

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