概要
音の高さを相対的な基準により判断する技術である。
絶対音感が、その人の持つ絶対的な基準により音を識別する能力であるのに対し、相対音感はある音を基準に他の音を識別する能力である。
少々難しい言葉のように思われるが、例えば「C」という音があった時、絶対音感の人は「Cのこのくらいの高さ」と実際の音名で表現するのに対し、相対音感の人は「ハ長調の『ド』の音、ピアノの鍵盤で言うとこの高さ」と表現するという違いがある。
特に音楽に馴染みのない人でも「この音とこの音はどちらが高い・低いか」と判断することはできるため、ほとんどの人は相対音感を持っているといえる。
ただし、一般に「相対音感がある(優れている)」という時には、複数の音を奏でる和音でも明確に区別できたり、コードについて「元となるコードからどのように音がずれているか」という音程を区別する能力に長けていたりといった、音楽に関する専門的な技術として身につけている場合のことを指す。
絶対音感が幼少期(多くは0〜4歳)のうちに専門的な訓練を受けることで(高いレベルのものが)身につけられるのに対し、相対音感は年齢がある程度高くなっても音楽に関するレッスンを受けることで鍛えることが可能である。また、絶対音感はその人の習得した基準の音に依存するのに対し、相対音感はその場における基準となる音に関しての高低で判断するため、仮に楽器が変わって基準の音(標準音)が違うものになっても変わりはない。
特徴
相対音感が優れている人は、例えばカラオケなどのキー変更でも伴奏の音に合わせて自然に高さを変えて歌うことができる。また、合奏のような複数人で演奏するとき、ピッチを他の人の音に合わせて調整することができる。
逆に相対音感が低いと、合唱で他のパートにつられやすくなってしまう。
ジャズの演奏家は相対音感を理論として活用しており、決められたパターン(コードやリズム)から即興で適宜アレンジをするには、もともとの楽譜を読み込んだ上で周囲の楽器の音を聴きながらでないとできない技術であるといえる。
相対音感しか持たないという人は、いわゆる耳コピや無調音楽、ジャズ以外の即興演奏のような、楽譜や基準となる演奏がない(あまり覚えていない)状態での演奏はあまり得意ではない人が多い。ただし、音楽を専門的に学んでいる人はソルフェージュで初見の状態で演奏したり、音をその場で聴き取って楽譜に書き写す聴音の訓練を受けていることがほとんどであり、絶対音感も相応に鍛えられているといえるため、その限りではない。
相対音感を持っている人
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