世話焼き死神×真性社畜
過労死(ほぼ)確定社畜女の前に現れたのは生真面目ウブ死神!?
概要
『ジーンピクシブ』にて2016年11月11日から2018年8月10日まで連載された漫画作品。
元はpixivユーザーであるくろたま氏がpixivに掲載した短編漫画作品だが、ジーンピクシブレジェンドマンガ賞にて大賞を受賞した事で、連載化が決定した。
公式略称は「しゃちがみ」(作者の公式ツイートより)。
最終回を迎えたが、その後を描いた番外編が更新された。
既刊は全3巻。第3巻にはガミと栞のその後を描いた描き下ろしも収録されている。
ストーリー
その人柄から他人を頼る事が出来ずに「社畜」と化している女性会社員有本栞の元に死神を名乗る存在が現れた。
死神はこのままだと栞が本来の寿命より遥かに早く過労死して「運命」と言う大原則が乱れかねないとして彼女に忠告する為に現れたが、重度の社畜と化した栞の剣幕に逆に死神の方が気圧される始末。そして紆余曲折を経て、死神は栞に寄り添って彼女をサポートし、根本的な原因である栞の社畜根性を取り除く事を決意したのだった。
これは、過労死寸前の女性会社員と、妙に人間臭い死神の織り成す日常の物語である。
登場人物
主人公
有本栞
今作の主人公。女性会社員。左利きだが右手も使えるので実質両利き。一人称は「私」。27歳。
優しく真面目。仕事面においてかなり優秀。周囲からの信頼が厚い。美人でコミュニケーション能力も高い。会社では上記の人柄と有能さから「伝説の何でも屋『オーバーキルの栞』」と呼ばれて頼りにされている。
しかし、その一方でかなりの甘え下手。強い責任感や周りを思いやる性分から何でも1人で抱え込みやすく、その結果自分の命より仕事を優先してしまうと言う危険な状態に陥る。その為、本来の寿命より早く過労死して「運命」を乱しかねないとしてガミの介入を受ける事に。
更に、休日そのものが会社のせいで少ない上に、せっかくの休日も自ら用事を入れたりと、ガミが来るまで「何もせずに休む休日」と言うものを嫌悪していた。
話が進むにつれ少しずつ意識は変わってきているが、仕事を押し付ける上司や足を引っ張る後輩等の周囲の環境のせいでまだまだ社畜からの脱却は出来ていない。
ネーミングセンスは無い。
ガミ
栞の元へやって来た死神。本来の寿命より遥かに早い栞の過労死によって「運命」が乱れない様に彼女の元を訪れた。
全身を覆う黒いローブに白い仮面が特徴。また、人間と違い足が無く空中に浮遊している。
最初は「住む世界が違う死神と人間は深く関わるべきでは無い」と言うスタンスを取っていたが、実際に栞と交流した事で「少々の介入程度では解決不可能」と言う結論に達し、彼女に取り憑くと言う形で彼女の生活をサポートする方針に切り替えた。
人外の存在ではあるものの、業務に関係無い部分で栞の己を省みない言動に憤り彼女を案じる等、彼自身は心優しい性根の持ち主で、その在り方はどこか人間臭い。また、栞のあられもない姿を見た瞬間に赤面して取り乱す等、かなり純情。更に、一ノ瀬と栞が食事に出かけた時には嫉妬の様な感情を覚えている様子。
念動力等の超常的な能力を持つ。料理が得意。ただし、本人は人間が食する様な食べ物は口に出来ない。
第8話で人間男性の姿に変身可能な事が判明。買い出し等の時はこの姿で活動している模様で、変身している間は栞以外の人間にも認識される。
物語開始当初は「業務上の措置」として栞をサポートしていたが、長い時を彼女と共に過ごす内に彼女に対してかなりの情を抱く様になってきており、上記の嫉妬の件に加え、第12話で上司の発言を受けて「自分と栞は異なる世界の住人同士であり、いつまでも共にはいられない」と言う現実に直面した際には1人大粒の涙を流した。そして第14話終盤にて栞が一ノ瀬に告白された事を知った事で遂に内に秘めた感情が爆発。外出しようとする彼女を思わず引き留める。
X課
山中
第3話で初登場。栞の後輩。新人。女性。真面目。努力家。容量が悪い為にミスも少なくなく、自分の至らなさを情けなく思っていたが、第8話での出来事を経て少しは前向きになれた様子。
そして第13話でのクリスマスの地獄の経験を経て、栞や周囲の人間の力になりたいと言う思いを強め、栞に積極的に仕事について質問する等、成長を遂げた姿を第14話にて栞や読者に見せた。
鈴島
第3話で初登場。栞の後輩。新人。男性。やや大雑把。失敗が多い。
A課
基本的にメンバーは栞に心服している。
一ノ瀬
第3話で初登場。栞の同期。互いにタメ口で言いたいことを遠慮無く言い合える程度には親密。男性。
A課がピンチに陥った時に栞の手を借りる事こそあるが、彼自身は有能な人材である。その為、先輩達を差し置いて若くして出世したが、彼本人は「上が色々押し付けたいだけ」「出世に伴って増えた負担にリターンが釣り合ってない」等と否定的に捉えており、「一ノ瀬主任」と呼ばれる事を嫌がったり人事の面々に殺意を覚えている。
その他にも、理不尽な理由で残業を増やされた結果、ストレスでクローゼットの扉を壊したり彼女に浮気されたりと色々と不憫な一面も。要するに彼もまた社畜の1人である。
加藤
第3話で初登場。栞や一ノ瀬の後輩。女性。彼女と一緒に仕事をする時は満面の笑みを浮かべている。
スタイルの良い美女だが性格及び口調はややキツめで、栞の前の様な柔らかい態度はかなり稀な模様。
向井
第3話で初登場。栞や一ノ瀬の後輩。短髪の男性。
初登場から暫く本名が不明だった。しばしば尾崎の生意気とも取れる発言に怒っている。
尾崎
第3話で初登場。新人。男性。眼鏡男子。加藤の後輩であり山中とは同期。
新人である為、物語開始時点で社内の有名人である栞の事を知らなかった。
同話にて栞の存在を知るが、「仕事ができ過ぎる女性は苦手」として他のA課メンバーとは違って彼女にあまり良い印象を抱いていない。第8話にて遂に栞と直接対面したが、彼女に対しての印象は殆ど変わらなかった。第11話での本人の発言によると、「男尊女卑ではないが、自分より彼女の方が有能なのはプライド的に嫌」との事。
冥界
上司
ガミを栞の元へ派遣した。
女性の肉体に悪魔の翼や頭部の一対の角等がある人外の存在。
本編では第12話にて初登場したが、単行本第1巻に収録されている第0話にて先行登場している。