→ギリシャ神話(概要の「神話世界の歴史」に該当。ヘシオドスの「神統記」)
なお下記の小説とはあまり関係無い。
概要
神統記(テオゴニア)とは小説家になろうにて連載中の異世界ファンタジー小説。作者:るうるう/谷舞司。
他種族との争いが絶えない世界で、唐突に前世を思い出した少年の苦難と成長の物語。
書籍化・コミカライズ
主婦と生活社「PASH!ブックス」にて、書籍化。作者:谷舞司。絵:河野紘一郎。
19年6月28日第3巻発売。
コミック版『神統記(テオゴニア)』もWEB上で公開。漫画:青山俊介。
あらすじ
人族は他種族の侵攻に苦しめられていた。
灰猿人(マカク)、豚人(オーグ)、蜥蜴人(ラガート)…亜人種たちの度重なる侵攻に苦しむ辺境の地・ラグ村。
ラグ村の少年カイは、村を守る兵の一人として、日々、亜人らとの殺し合いに身を投じていた。
戦いの最中、命の危機に瀕したカイの脳裏に突如浮かんだのは「前世の記憶」。
それは少年に、大いなる成長、そして戦いの宿命をもたらすものだった……。
その世界の『仕様』に唐突に気付きを得てしまった少年の、成長の物語。
主な登場人物・主な土地
ラグ村
北にある辺土。人口は千人ほど。人のまばらな辺土においては比較的大きな集落のひとつだったろう。村は丈高い荒積みの石壁に囲われていて、半ば城砦のような風情を備えている。むろんそれは亜人種族などの外敵から身を守るためであり、本来土塁程度のものでしかなったそれを膨大な労力を費やして見上げるような壁にまでした父祖の努力のたまものであった。
ラグ村の少年 カイ
本作の主人公。辺境・ラグ村に住み、男衆の皆と苦しい共同生活を営んでいる。物語の始まりでは13歳。
他の村の出身である彼は村の中でも下の方の序列。食糧事情の厳しい中、農作業に森での採取、そして亜人種の侵攻との戦いにと働いていたが、戦いの最中に大怪我を負ったことで前世の記憶を得る。
前世ではそこそこ物知りだった少年の記憶から知識と知見を得たことを皮切りに、『魔法』の発見・開発、森奥の谷の神の強力な加護、友好的な亜人種の信仰、村での序列など様々に手に入れていく。
気の利く班のリーダー マンソ
カイと同じ班の18の青年。正確には班長等の役職は無いが押し出しの強い彼がその役割を担ってる。
名前はおとなしいという意味だが18になった彼は口が悪く乱暴者。しかし目端の利いた判断もする面倒見の良い兄貴分でもある。…協力しなければ生き残れない辺土の事情もあるが。
カイとは仲良くしていたが近くの村での助力に行った際に逃げ遅れたカイを見捨て逃げていってしまった。その後、自力で生還したカイにはそれも当然の判断だったと許してもらっている。以降は実力を付けたせいで周囲から悪目立ち気味のカイをフォローすることもしばしば。
領主の息子 オルハ
ラグ村の領主の息子。加護持ち。まだ経験が足らず浮き足立った行動が多い。
彼の加護は元はエジン村と呼ばれる放棄された村の土着神の加護。そのためか少し弱目。
将来は領主の後継だが周りを下に見ており村民の扱いが雑。領主の父にも諌められるが理解していない。
父に認められている下民のカイに対しても良い態度は取らない。
土豪モロク家当主 モロク・ヴェジン
ラグ村の領主にして辺土では『鉄の牡牛(トール)』とふたつ名で呼ばれる勇猛な武人。体躯は大きく骨と筋肉で太い。格高い加護持ちであり、その身体はもはやlその辺の雑兵の槍が当たろうともものともしない。
亜人種との争いの最前線、辺土を支える彼は経験に富み、基本的に実力主義。訓練にもよく顔を出し、見応えのある者に稽古を付けることも多い。
生きの良い若手カイの出現に喜んでおり、実績を積み続けてくれる彼への評価はとても高い。
白姫 ジョゼ
ラグ村の領主ヴェジンの娘。アルビノの美姫。加護持ち。
加護持ちだが箔付けの一種らしく、ある程度訓練はするものの女性のため基本的には戦闘に参加しない。
というよりジョゼ本人は加護持ちの義務として参加したいようだが周りが許さない。
彼女の加護は本来エダ村の土着神だったが、亜人種の侵攻にやられ村を放棄、加護だけ守っているもの。そのため効果が薄く、ヴェジン等と比較するとその実力は心許ない。
領主一家の中では加護持ちな分だけ当主に近い発言力があり、女衆の意見を当主に伝えるのは彼女の役目。
カイが魔法を試す瞬間に居合わせてしまい、危険なその技の公表を控えるように言付けた。加護持ちの間では知られているものの扱いを間違えれば破滅する技として秘匿されているとのこと。また、これを切っ掛けにジョゼから訓練に付き合うよう言付けられる。
見目の綺麗な彼女は村の男衆のアイドル的存在でもあり、そんな彼女からよく構われてるカイは男衆の嫉妬を集めている。
谷
バーニャ村近くの森にある谷。何かに守られているのかいわゆる森の恵みが多く、食べ物に困らない。
この谷の土着神の加護を得たカイは、加護に付随する呪いによりあまり長期間この谷を離れられない。
加護の前任者が苛烈に谷を守っていたため亜人種は寄り付かない場所。言うなれば禁足地。
近くに棲む蜥蜴人 ンゴォレ
谷に拠点を作ろうとして木を切り倒すカイに近所迷惑を伝えにきた赤斑点模様の蜥蜴人(ラガート)。200年は生きてるという。
カイに先代の谷の主のこと、古き民の生き残りだったという存在について教える。
領分さえ侵さなければ平和的。
恭順を示す小人族の長 ポレック
150は生きたという小人族(コロル)の長。その目は潰されて物は見えないが、加護によって霊力の光が見える。
豚人族のゲハ氏族に村を追われ、父祖の地を取り戻すため『古き調停の神』すなわち谷の神を頼りきたという。しかしカイからすればそこまでの義理もないため放置。谷のそばに居を構えることだけ許した。
そんなつれない態度を取るカイに対しても信仰と恭順の姿勢を続けている。
小人族からの贄の娘 アルゥエ
小人族からの捧げもの。カイは一度返品したが命掛けで請われたため仕方なく受け入れた。
しかし彼女は小人族だけあって手先が器用。カイが作った掘建て小屋とも言えないそれをカイのいない間に1人でまともにしてみせ、料理も掃除もしてくれるしそれも上手…実力で立場を勝ち取った。
では寝屋のそれも御相手しようと意気込むが、小人族だけあって見た目は完全に幼女。カイには無理だった。