概要
東方天空璋にて、EX面で摩多羅隠岐奈が使用したスペルカード。
摩多羅神は「能楽の神」「被差別民の神」でもある。
- 無縁
日本中世史学における学術用語で、「(領主などの)世俗権力の私的支配下に拘束されない状態」をさす。その条件下の人を「無縁の民」という。
「無縁の民」に当てはまるのは、いわゆる定住していない漂流民が多く、旅をして回る流浪の職人や商人、聖などの宗教者、そして傀儡師などの芸能民(芸能者)である。
大道芸は「支配下になく、人として扱われない」障碍を持った人々や市民権を得られない俗に言う「部落」の人々の食い扶持としてあてがわれた職でもある。
- 芸能者
傀儡師(傀儡子、傀儡女)
日本の中世(平安時代以降)に存在した、「日本中を旅して、芸能で生計を立てる集団」(芸能民)の総称。その内容は人形劇だけでなく、舞や音楽、歌、詩、相撲、剣劇、大道芸など非常に多種多様であった。これらの芸は後の時代に人形浄瑠璃(文楽)、猿楽、能楽(能や狂言)、歌舞伎などの日本の伝統芸能へと発展していった。
- 声聞師(しょうもじ)
さらに時代を下り鎌倉時代以降になると、読経、曲舞、卜占、猿楽、人形劇などの呪術的芸能は主に「声聞師」と呼ばれる芸能者により行われるようになる。
「声聞師」は官職につけず没落した在野の陰陽師もしくは陰陽師の影響を強く受けた模倣者たちが源流と言われている。有力なグループは著名な寺社仏閣に所属して猿楽を披露したが、多くは民間で活動した。彼らは被差別民に分類され、社会的地位は低かったされる。
この時代、「声聞師」により猿楽は全国各地に広まった。彼らの中からやがて観阿弥・世阿弥が現れ、現代に続く伝統芸能「能楽」が形作られることになる。