曖昧さ回避
- 『Z/X-Zillions_of_enemy_X-』の登場人物。→桜街紗那
概要
主人公・摩緒にとって縁のある人物であり、この物語のキーパーソン。
人物
摩緒が陰陽師として修行していた平安時代における師匠の娘。
御降家の主(摩緒や彼の兄弟子・姉弟子たちの師匠)の娘という高位な立場でありながら、摩緒を含めた師の弟子たちにも分け隔てなく接し、慕われるなど人格者として描かれている。
百火いわく、「綺麗で優しく、聡明で、穢れのない人、摩緒はベタ惚れしてた」とのこと。(もっとも、あくまで百火目線であるため、実際に摩緒が紗那に対しどういった感情を抱いていたかは不明。)実際、紗那を見て嬉しそうに微笑んでることから摩緒が紗那を好いていることがわかる。
「灰丸」という猫を飼っており、常に抱いて可愛がっている。紗那以外の人物に触れられると嫌がるはずが、摩緒に触られても嫌がらなかった。
師の娘に恥じない実力の持ち主で、後継者に選ばれるということの意味や一族の謎、弟子たちの機微などあらゆることを察知しているようで、摩緒には度々あらゆる忠告や助言をしている。
容姿
穏やかで古風な美人を形容するような容姿。陰陽師ではあるが、鈴のついた装束をしており、姫カットの長い黒髪をおろしている。(ただし、かつての灰丸であり、現在の猫鬼は、「紗那は術者ではなかった」と語っている。)
実は摩緒の婚約者であった。
一族の秘宝の後継者=婚約者という掟にならい、後継者となった摩緒の妻になることを了承する。摩緒からは「紗那さまはそれでよろしいのですか」と確認されたのに対し、「私は父に従います」と発していたが、彼女自身には別に思い人がいた。
しかしその後、禁術の書物などを保管している宝物院が何者かによって放火され、猫鬼との激戦の末に力尽きた摩緒が再び目覚めた時、辺り一面、多くの死者が倒れている中で紗那の亡骸を発見する。
百火からは「お前が紗那さまを殺した」と言われているが、摩緒はこの時の記憶がないために、自分が紗那を殺したのではないかと真実を確かめたがっていた。しかし、百火はこの時「兄弟子たちが言ってた」と発言しており、後に「摩緒が紗那を殺害し、御降家を裏切った」と発言した人物が、摩緒や百火にとってのかつての兄弟子であり、御降家の中で特に実力があった白眉であることが判明した。
そして、時は大正時代、紗那と瓜二つの顔の人物・幽羅子が摩緒の前に現れるのであった。
後に、紗那の思い人は、摩緒の幼馴染にして、摩緒が最も慕っていた兄弟子であり、摩緒を御降家に導いた、実力者の青年・大五であることが判明した。紗那は大五とは相思相愛の恋人同士の関係であったが、大五は実力者ではあるとはいえ、御降家の主の弟子の一人であるのに対し、紗那は御降家の主の娘であり、立場が違うため、二人は人目を忍んで逢瀬を重ねていた。摩緒はその場面を目撃しており、大五と紗那の幸せを本気で願っていた。(百火の「摩緒は紗那様にベタ惚れしていた」という発言は、百火が、「紗那に思い人で恋人にもあたる人物がいたこと」を、そもそも知らなかったことから出ていた可能性があり、実際には、摩緒は紗那に対し、「女性として好きだ」という恋愛感情よりは、「人として好きだ」という気持ちや、「憧れ」といった気持ちが強かった可能性がある。ちなみにこれは、百火の紗那に対する気持ちにも言える可能性がある。)なお、紗那の愛猫である灰丸は、大五にはなついていなかった模様。
しかし、前述の通り、紗那は摩緒と婚約者同士の関係になってしまい、摩緒は、「自身を御降家に引き入れてくれた大五を差し置いて秘宝の後継者になってしまったこと」、「大五と紗那は既に恋人同士であったが、自身が秘宝の後継者になったことにより、自分と紗那が婚約者同士の関係になってしまったこと」に、「(当時暮らしていた)御降家を出よう」と考えるほどの罪悪感を抱いていた。一方、大五からは、「摩緒を御降家に引き入れてしまったこと」について、「すまなかった」と謝られていた。
しかし、その翌日、大五は謎の死を遂げてしまい、摩緒や紗那は深く悲しむことになり、御降家で大きな騒ぎとなった。思い人にして恋人である大五の死に、紗那は摩緒に「初めて見る表情(かお)だった」と思われるくらいに悲しんでいた。
なお、紗那を殺害した人物は摩緒ではないが、100話を超えた2021年10月時点では不明。
また、幽羅子は、顔こそ紗那と瓜二つだが、幽羅子本人の生い立ちは紗那とは異なり、また、幽羅子は摩緒に想いを寄せているため、大五に想いを寄せていた紗那とは別人である。