概要
A.I.VOICEのライブラリとして登場した完全新規キャラクター。2022年1月28日発売。
これまでのA.I.VOICEのキャラクターにはない、カラフルでスタイリッシュな雰囲気のデザインが特徴。
銀色のショートヘアに、黄色と白を基調としたスポーティな服装。メイクも濃いめで華やかなイメージとなっている。
「はっきりとした中性的な声」と紹介されており、明るく歯切れの良い話し方が特徴。
VOICEROID+やエーアイトークよりも後発ということで、全体的に品質が向上しているが、基本的な声質は同一人物ということもあり、既存の民安の声を元にしたトークソフトに近い感覚で利用することができる。
感情スタイルは他と同様に喜び、怒り、悲しみの3種類が存在、さらに羽ノ華の子供時代をイメージした特別ボイス「羽ノ華(雫)」が付属する。
声は平静と雫が新録であり、感情スタイルはエーアイの法人向け商品「まき」の一部流用となっている。
開発の経緯
音声提供者である民安ともえは、弦巻マキおよび、株式会社AHSが発売しているマキをモチーフとしたVOICEROID「VOICEROID 民安ともえ」の声を担当していたが、「CeVIO AI 弦巻マキ」「Synthesizer V 弦巻マキ」発売の際に田中真奈美に声優が変更された。
変更については、「弦巻マキ」というキャラクターとAHSとの契約や、民安が当時所属していた事務所の都合などが関係するらしく、民安自身も「連絡なしに声優変更になること自体は、業界ではよくあること」と変更そのもの自体は大きな問題としていなかった。
一方、VOICEROIDの開発元(AHSとは別企業)であるエーアイは、法人向け読み上げソフト「AITalk」のライブラリ「まき」を長年演じていた民安の声を、個人向けに次世代仕様としてアップグレードさせたいという思いがあった。
民安がフリーランスになったことを受けて、「(新たなキャラクターを設定して)民安の声のソフトを作らないか?」とエーアイから打診があり、民安も自身のYouTubeチャンネルで視聴者に相談した上で、「新たな民安ともえの声の音声読み上げソフト」として開発が始まることになった。
「弦巻マキの声」としての使用について
Youtubeライブでの発表を受け、ユーザーの間では民安が以前担当していた弦巻マキの話題が上がり、「マキとして使っていいのか?」という声も多数上がった。
2023年3月時点の利用規約では、個人クリエイターによるYouTubeやニコニコ動画の動画での「弦巻マキの声」としての使用は禁止されていない。このため、一応は「弦巻マキとして」使用することも可能ということにはなる。
しかしながら、「羽ノ華」の発売にあたっては、開発・販売元であるエーアイや民安がさまざまな方面への配慮、調整を重ねた結果であること、「民安の声だから」と過剰に持ち上げることは、現在のマキを演じる田中真奈美とAHSは勿論、彼女が演じた弦巻マキのボイスの製品を実際に手に取って使用しているユーザーに対しても失礼であること、そして何より弦巻マキからしたら先述の通り「現在のボイスや製品を真正面から否定」、羽ノ華からしても「ボイスだけ抜き取ってキャラの存在は無視」と双方の元のキャラクターの存在を軽んじることになることから、「代理」「旧ボイスの再現」として用いることはあまり好ましく思わないユーザーも多いのも事実である。
また、声を担当している民安自身も「他のキャラクターの声として羽ノ華を使うこと」自体は良いとしつつも、「マキの声として羽ノ華を使うこと」には難色を示している。
羽ノ華の声質自体はVOICEROID版に似た雰囲気であるが、新録によって雰囲気も多少変わっており、調声や動画制作などに詳しい人や、マキの声が好きな人からすれば違いは明らかである。仮に使うにしても、VOICEROID版と全く同じ形で再現することはほぼ不可能といえる。
つまるところ、規約上の問題がないとはいえ、先の個人の善悪によらない問題が多くあるのも事実である。
無用なトラブルを避けたいなら、弦巻マキの代用として羽ノ華を使うのは控えるのが無難である。
何らかの事情で使用するにしても、視聴者などに向けて注意書きを添える方が良いだろう。