概要
○○職人の朝は早い――。
その道のプロに密着したドキュメンタリー番組だとか、記事だとか、誰もが一度は何等かの形で目にしたことがあるフレーズ。
真面目なドキュメンタリーだけではなく、それらをもじった創作や、世の中の変なものや出来事をまるで熟練の職人がやっているかのように例えるネタなど、使用例は枚挙に暇がない。
インターネットでは
オナホ職人の朝は早い
特に「オナホ職人の朝は早い」というネタが有名。ふたば☆ちゃんねる(案の定というかなんというか、虹裏)で生まれたネットスラングの一種である。
同様のタイトル立てられた本文無言のスレッドに、としあきたちが上記のような熟練職人のドキュメンタリー風のフレーズを書き込んでいったことでネタが完成した。
同板でたまによくある無駄な連帯感が上手くいった例の一つ。
今日、インターネット上で見られる「朝は早い」系の源流はこの「オナホ」ネタから派生しているものが過半であると考えられる。ただし、これが「朝が早い」系全般の大本では無い。
うどん職人の朝は早い
または「うどん屋の朝は早い」など。これは元プロ野球巨人選手の條辺剛氏がうどん屋となり、繁盛していることを特集した記事から来ている。大体記事そのものが野球絡みのネタに使用されるコピペの一種となっているが、注目すべきは「うどん屋の朝は早い」というフレーズは実際の記事にも使用されている。
このことからも、このフレーズがネタ以外で使用されていることが分かる。
そもそもの源流
2000年代以降
多くはNHKが手掛ける職人系のドキュメンタリー番組(「プロジェクトX」や「プロフェッショナル 仕事の流儀」など)が元ネタであると考えられている。
ただし、それらの番組は主に21世紀に作り出されたネタの大本というべきであり、言葉自体はもっと前から存在した。
なお、記事タイトル「職人の朝は早い」の「職人」がフレーズの頭として定着したのはやはりこの頃であり、これ以前は単に「朝は早い」としてのみ認知されていたとも考えられている。
1990年代
漫画「魔法陣グルグル」2巻で「朝は早い」のフレーズが使用されている。多くの人はここでネタを知ったともされるが、そもそもパロディ的に使用されているので、元ネタは更に前ということが分かる。
1970年代
年代が明確なもっとも古いネタはネスカフェのCM「アムステルダムの朝は早い」の1972年頃であると言われている。ただし、これより以前にビートたけしによる「大橋巨泉さんは外国にかぶれていて、コーヒー飲みながら『伊東の朝は早い』なんて言ってる」というネタが存在したとされる。
仮にたけしのネタがネスカフェより古いとすると、使い方からしてパロディ的なものとしての使用例と考えられる。それでは、更に古い源流が存在することになるのだが…。
1960年代
「日立ドキュメンタリー すばらしい世界旅行」のナレーター、久米明による「ジャングルの朝は早い」というフレーズが存在する。同番組は1966年から開始されており、仮に番組初期に使用されているとすれば、かなり大元に近いのではないかと推察される。
ちなみに久米氏自身は令和2年に96歳で亡くなるまで現役であった。
さらに前
1950年代以前にこのようなフレーズが使用された可能性はある。テレビが発達する前に、雑誌や新聞などで使用されたかもしれない。このように考え出すとキリが無いほど、このフレーズの汎用性と「誰もが納得する感」は高く、それでいてネタにも臨機応変に対応出来るフレーズなのである。
そもそも、本当に「朝は早い」のか
ネタ的なものはともかく、大体職人とされる職業の朝は本当に早い。4・5時起きはザラであり、人によっては2~3時に起床して朝の仕込みや仕入れを始める人までいる。世の中は我々の想像を絶するほど「朝は早い」人たちによって支えられているのだ。
それでいて夜遅くまで仕事をすることもあるのだから、本当に頭が下がる思いである。
関連イラスト
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