概要
その昔、福島県・平絹谷の青滝の堤に大蛇が棲みつき、村の灌漑用水を止めてしまった為、ある若者がこの大蛇を切り殺し、死骸を池畔に埋めたが、それ以来、その血飛沫が掛かった桜はどの部分を切っても赤い血の様なものが噴き出すようになったので、人々はその桜を「血桜」と呼ぶ様になったとされる。尚、血桜は念に三回花を咲かせるが、その都度花の色が違っているといわれている。
また、これに似たような話は全国に伝わっており、岐阜県では、足利義視と赤坂の長者女蟹氏の局との間に生まれた子を乳母が誤って井戸に落として殺してしまったので、怒り狂った義視は乳母を切り殺して井戸に投げ入れ、その井戸を埋めて桜を植えると、その桜には毎年血のような赤い花が咲くようになったとされる「血染めの桜」という話が伝わっている。
長野県に伝わる伝承では、とある城跡に何人かの武士が生き埋めにされ、供養のために塚を作って桜を植えると、その後、その桜の木が傷付くと、血が流れだすようになったという。