詠唱とは、何かしらの呪術的な文章を読み上げることである。
概説
文章に節をつけて唱えることで、祈りを神仏へと届けたり、呪文を発動させたりすること。
ちなみに、本来は「詩や歌に節をつけて読み上げること」全般を指す言葉であり、「アリア」を「詠唱」と訳すこともある。
創作においては、ファンタジー作家の語彙力や文章センスが遺憾なく発揮される場であり、そのセンス次第で作品の評価が変動することも稀にある。
直接的に起こす現象に呼び掛ける形式が最もわかりやすく使いやすい。
※例:「風よ、舞い上がれ!」 「炎よ、我が敵を焼き尽くせ」 ――等
これをあえて比喩や隠語でぼかし、壮大でミステリアスにしていくことで、より中二病感漂う詠唱に仕上がる。
※例:「我焦がれ、いざなうは焦熱の儀式。其に捧げるは炎帝の抱擁」
(『ヴァルキリープロファイル』より「イフリート・キャレス」)
一方で高位の魔術の行使者になると、一瞬で長文の詠唱を済ませる「高速詠唱」スキルや、作品によっては詠唱という工程そのものを省いてしまう「詠唱破棄」、複数の詠唱を同時に行う「二重詠唱」といった魅せ方も登場し、むしろ「詠唱に時間をかけるようではまだ二流」 といった風潮も生まれている。
逆に、強敵に対してはあえて完全な詠唱を行うことで本気度を示すという演出(詠唱破棄などでは100%の威力が出せないというパターンの場合に多い)も存在する。
あまり「詠唱」とは言われないが、「召喚口上」のようなものも(召喚に必須とされる場合には)「詠唱」の一種ではある。
フィクションにおける詠唱の例
カードキャプターさくら
「闇/星/夢の力を秘めし鍵よ、真の姿を我の前に示せ、契約のもと、さくらが命じる、封印解除(レリーズ)」
「火神招来(かしんしょうらい)」・「水龍招来(すいりゅうしょうらい)」・「雷帝招来(らいていしょうらい)」・「風華招来(ふうかしょうらい)」
文豪ストレイドッグス
「汝、陰鬱なる汚濁の許容よ、更(あらた)めてわれを目覚ますことなかれ」
スラングとして
テンプレ的な死亡フラグ的なセリフや、オチの見えている展開など、流れが(主にだめな方に)変わった一連のセリフのことを指して「詠唱開始」などと表現されることがある。
また、専門用語の連続する難解な文章の読み上げを詠唱や呪文等と表現することもある。
スラングとしての詠唱の例
鉄血のオルフェンズ
ラーメン二郎
アブラナシヤサイカラメマシニンニクスクナメ
スターバックス
トールバニラソイアドショットチョコレートソースノンホイップダークモカチップクリームフラペチーノ