赤電話あれこれ
昭和を象徴する黒電話の次に有名な電話機。赤色の理由は「暗い街頭でも目立つから」。
電電公社が駅・公共施設・テーマパーク・ショッピングセンター・商店などの構内に設置し、施設の運営者に管理を委託していた。なので正式名称:委託公衆電話。
商店の店先に設置され(よくタバコ屋に置かれているのが定番)、『三丁目の夕日』に出てくることでもお馴染み。赤電話を扱う商店にセットで置かれた「でんわ・でんぽう」のホーロー看板は昭和世代には有名。
10円で利用できるが、当初はダイヤル市外発信はできなかった。なので、ダイヤル市外発信の可能な「大型赤電話」というのも存在した。
赤電話の歴史
昭和26年12月に委託公衆電話が導入される。最初の赤電話は赤ではなくて「黒」だった。昭和28年から委託公衆電話を赤色に統一。これが赤電話のはじまり。以来、公衆電話の利用は急激に増加。庶民にとって身近なものになり、その色と形から「赤ダルマ」と呼び親しまれた。日常風景に溶け込んだ赤電話は貯金箱として販売されたこともあった。
昭和40年代から50年代にかけて、青電話(昭和47年から黄も登場)やピンク電話(特殊簡易公衆電話)、プッシュホンなどにシェアを奪われ、めっきり見かけなくなった。
平成7年、委託公衆電話がテレホンカード式公衆電話に完全移行するのに伴い旧式の赤・青・黄の公衆電話は廃止され、完全消滅した。
赤電話は消滅したが、ダイヤル式のピンク電話は、店舗の運営者や公共機関などが設置する公衆電話のため、NTTが委託している公衆電話とは異なり回収されず、現在でも旅館や飲食店など日本の至る所に生き残っている。