概要
国会議員や地方議員、首長などの選挙を行う際に、候補者や政党への支援を呼びかける宣伝をするための車の俗称。
大きな看板や拡声器を装備しており、規模が大きい選挙だと屋根上を演説のお立ち台にすることもある。
公職選挙法により、走行中に拡声器を使用できる時間は朝8時から夜20時までと決まっている。(公職選挙法第百四十条)
また、走行中に喋る内容も厳しく規定されており、候補者の氏名を連呼するのが基本で(連呼行為)、これに加えて所属政党と政策のキャッチフレーズ程度のみである。つまりごく簡単な自己紹介程度の内容しか許されておらず、政策を詳しく語ることはない。
時折、駐車場や広場に停車して演説を始めることがある。
一方で、選挙カーの大音量の連呼行為を不快と感じる人が多いのも事実である。
公職選挙法では、静穏に努める必要がある場所として、学校、幼稚園や保育園、病院などがあるが、住宅地や事務所などは入っていないため無法地帯となっている。
近年では、これらの声を受けて選挙カーを使う候補に投票しない運動や、選挙カーを使わない戦略で当選を果たす候補者も現れている。
他方、メディアでの露出の機会が比較的望めるベテランの国会議員や首長であればともかく、若手の議員や地方議員、新人候補などは「有権者が自分の名前すら知らない」という場合も多いため、諸刃の剣となることを承知で選挙カーに望みを託すこともあるとか…