概要
ゲリマンダー(Gerrymander)とは選挙において特定の政党や候補者に都合の良い選挙区を区割りすることである。
1812年にアメリカ合衆国マサチューセッツ州知事エルブリッジ・ゲリーが区割りした選挙区が異常な形をしていたことから生まれた言葉で、その行為はゲリマンダリング(Gerrymandering)ともいわれる。
そのときの選挙区の形状が幻獣サラマンダーに見立てられ、ゲリー(Gerry)とサラマンダー(Salamander)を合成して名付けられた。
英語ではジェリマンダーと発音されるためjerrymanderと表記されることもある。
この選挙区は小選挙区制で効力を発揮し、選挙結果の流動性を低下させる効果があるが、誰が見ても分かるような独特な形状になるので非難を受ける場合が多い。
日本においては衆議院選挙において小選挙区制を導入しようとした経緯の中で、1956年にハトマンダー(第3次鳩山一郎内閣)・1973年にカクマンダー(第2次田中角栄内閣)・1991年にカイマンダー(第2次海部内閣改造内閣)といった呼び名が生まれている。
2018年には参院選制度改正で自民党と公明党が、自党にとって有利な案を可決・成立させた際に野党やマスコミから自民党からとられたジミマンダーと揶揄されている。
創作での扱い
市販の英語辞書に挿絵とともに紹介されているために知った者は多いとみられ、『足洗邸の住人たち。』ではジェイク・ゲリマンダーというリザードマンが登場する。
地図に何らかの形状を見出すのは人間の性のようで、地形が怪物の姿であるという演出が行われる場合もある。
ホラー作品などで上空から地上を見るとその土地はすでに支配されていたという恐怖オチや、この世界は普通ではない(天使のたまご,SSSS.GRIDMANなど)という描写に用いられる。
またロールプレイングゲームやシミュレーションゲームでは、マップが演出として何らかの形状をしている場合がある。
(サンサーラ・ナーガ,ファミコンジャンプ,真・女神転生デビルサマナー,ソウルハッカーズなど)
実在の土地が何かに見立てられキャラクター化される場合もある。(群馬県→鶴,千葉県→チーバくん,北海道→イトマキエイなど)