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錬鉄

れんてつ

産業革命時にパドル法で大量生産された鉄。炭素含有量の低い軟鉄である。

概要編集

19世紀の古典的な製鉄方法であるパドル法で主に製造されていた反射炉中で溶解した鉄を捏ね回してスラグと呼ばれる不純物を取り除き、純粋に近い鉄を得る。現在主流の鋼鉄に比べると炭素成分が極めて少なく、比較的軟らかかった。


19世紀には錬鉄がレール鉄橋の材料として大量に使われた。1889年のパリ万国博覧会に際して建設されたエッフェル塔が錬鉄で作られていることがよく知られている。


1855年、ヘンリー・ベッセマーが転炉を発明し、銑鉄から鋼鉄を大量生産する技術を確立。当初のベッセマー法ではリン硫黄の除去がうまくできなかったのでアメリカ合衆国などで産する低リン、低硫黄の高品位鉱石を必要としたが、1879年に登場した「トーマス転炉」で克服され、ヨーロッパでも錬鉄は鋼鉄にとって代わられた。


錬鉄は英語でWrought ironというが、日本でロートアイアンというと西洋風の鉄金具(Ironwork)を指す。かつて鉄工芸品の多くが錬鉄で作られていたことによる。

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