概要
右手で衣の端を握り、「触地印」の印相を結んでいる姿で現される。
昔、東方の阿比羅提(あびだらい)という名の国に現れた大日如来の所で修行を行って怒りと淫欲を断つことを為しと出て仏となったとされる。
その語源は“揺るぎないもの”を意味し、密教における金剛界五仏の一で、金剛界曼荼羅における大日如来の東方に位置しており、唯識思想でいう“大円鏡智(だいえんきょうち)”を具現化した存在で、後に大日如来に代わって五仏の中尊になったとされる。
また、法華経では前生は大通智勝如来の十六王子の一人とされているほか、胎蔵界の東方、宝幢如来や薬師如来と同体と考えらえている場合もあるほか、西方極楽浄土の阿弥陀如来と並んで東方に棲んでいる大乗の仏さまの1つとして重視されている所もあるらしい。
悟りを得る為の思いが極めて強く、戒律を必ず守り、何事にも心を乱して揺れる事が無い事から不動・無動如来とも呼ばれる事もあり、絶対に怒りに心が支配される事も無い故に義の無瞋恚如来(むしんににょらい)という別称で呼ばれる事もある。
また、薬師如来と同等の存在ともされている事から、病気の治癒や無業息災、滅罪の功徳があるともされている。