「ああ、そうだね。天地神明に誓ってまた遊ぼう。」
キリザキ君は
モリ子のクラスに来た転校生。元になった人物は幕末志士の坂本。
ポニーテールで頬に星のシールが貼ってある。胸ポケットには常に三本のシャーペンあり指の間にシャーペンを三本はさむ「シャープシェープ」というオリジナルの流派がある。
独特な雰囲気を持っており、妙な言い回しや言動が多いなど変わった性格をしている。
コーヒーを愛飲しており、お昼ご飯はエビメス錠という栄養剤を飲んでいる。
モリ子にいつも振り回されているが、彼もどこか楽しげな様子をしている。
ここから先ネタバレ注意!!
「なりきることだけ考えて。」
「人格のスイッチを切り替えて。」
「自己暗示でも催眠でもなんでもいいから。」
「ここからは、この学校では、ボクは『霧崎鋭』じゃなくて。」
「『霧崎鋭』じゃなくて。」
「『キリザキ君』だ。」
霧崎君は(ネタバレ注意)
彼は「キリザキ君」とはかけ離れた人間であり、親の都合で転校を何回も繰り返している訳ありの陰キャだった。
中学時代はそれが原因でいじめられており、対人恐怖症を持ってしまったのである。
高校ではそういうところを見せないよう自分とは真逆の存在の「キリザキ君」を作り上げた。
しかし「キリザキ君」は大きな欠点があり、「周りが見えなくなる」というものがある。
妹の美伊がいじめられていた事に気付かず、妹の前で奇行をしたり、唯一の理解者であるモリ子の好意にすら気付けずにいたのである。
そして、転校前にモリ子からハンカチを渡され、最後の最後にずっとモリ子に救われていたことに気付くのであった。
しかし、ハンカチの刺繍には「キリザキ」と書かれており、見ているのは「ボク」ではなく「キリザキ」なんだと勘違いしてしまう。その結果、霧崎は本当の自分を伝えられずに別れてしまう。
けれど、モリ子は最初から「霧崎君」の存在に気づいていたのである。