概要
青森県青森市をホームタウンとするプロバスケットボールクラブ。現在はBリーグ・B2東地区所属。「ワッツ」とは熱い時や力強くスピーディーなことを表す際に使う青森県の方言に由来する。ホームアリーナは「青森市総合体育館」(ネーミングライツ契約による愛称「カクヒログループスーパーアリーナ」)。
クラブ設立以前、学校法人光星学院の理事長・中村覺を発起人とする青森プロバスケットボールチーム設立準備室が、八戸市を本拠地としてbjリーグ参入を目指していた。八戸市では2010年、光星学院による日本初の小・中学生を対象にしたバスケットボールスクールが開講しており、チーム設立の機運が高まっていた。bjリーグ本部は2011年7月に設立準備室の参入を認可。2012-13シーズンより参戦することが決まった。同年9月には秋田ノーザンハピネッツと岩手ビッグブルズのプレシーズンゲームが八戸市体育館にて行われ、観客およそ1,700人を集めていた。しかし、設立準備室はスポンサーの獲得に失敗。リーグ参入を1季延期しスポンサー確保に奔走していたが、結局活動を停止していた。
これに替わったのが、青森銀行出身の下山保則を中心としたグループであった。設立準備室が八戸市を本拠地と定めたのに対し、下山らは青森県全域を本拠地とするチーム作りを目指し活動、懸案であった資金の確保も、銀行での勤務経験を持ち支店長も歴任した下山の力によって達成された。2012年7月、bjリーグ2013-14シーズンからの参入が決定。同時にチームの運営会社である青森スポーツクリエイション株式会社が設立され、下山が社長に就任した。
チーム名、ロゴ、マスコットキャラクターを一般公募し、チーム名は2012年9月に青森市内の会社員が応募した「ワッツ」に決定。12月に青い炎をモチーフにしたロゴを、翌2013年3月には、階上町の小学生が応募したリスのキャラクターをマスコットに採用した。このキャラクターは「クイッキー・デッチ」と命名され、2013年10月には着ぐるみが披露された。また、参入決定時点で運営会社の人員は下山のみだったため、青森出身の元秋田フロントスタッフらを登用し、体制を整えていった。
2016年、bjリーグとNBLが合併しBリーグが創設。B2リーグ東地区所属となった。最高成績は16-17、19-20、23-24シーズンに記録した4位。
解散危機を乗り越えた青森ワッツ
2023年夏に東京都千代田区に本社を置く「ANEW Holdings」がクラブの運営会社の経営参画を発表したが、2024年2月22日付で東京地方裁判所から破産手続き開始決定を受けた。その影響で、同年3月2日の福島戦の試合後の記者会見で、今シーズン中にもチームの解散を迫られる可能性があると明らかとなった。
さらに、青森スポーツクリエイションの藤永裕二会長はクラブの経営状況について債務超過が昨年度末の時点でおよそ3800万円に上り、今後のクラブの安定経営には今年6月までに、約5000万円が必要だと説明した。その上で、債務状況を改善できない場合、ライセンスが交付されず、最悪の場合には、今シーズン中にもチームの解散を迫られる可能性もあると説明した。一方、ANEW Holdingsの破産管財人との調整が進み、金融機関から融資を受けられるなどすれば、チームを存続できると説明した。
2024年4月23日、東京都に本社を置く資産管理会社「メルコグループ」が新しいオーナー企業になることや同企業並びに関連会社による資金投入により、青森スポーツクリエイションの債務超過を解消することを発表した。これにより、継続審議となっていた来シーズンのB2ライセンス交付が決定となり、同リーグに残留することになった。