概要
1.平安時代後期~南北朝期にかけて備中国(現在の岡山県西部)で栄えた刀工一派。開祖は青江守次。
同派は時代ごとに三分割され鎌倉時代中期以前を古青江(こあおえ)、鎌倉中期~南北朝初期を中青江(ちゅうあおえ)、南北朝~室町初期を末(之)青江(すえのあおえ)とする。
2.DMM.comより配信中のブラウザゲーム『刀剣乱舞』に登場するキャラクター数珠丸恒次・にっかり青江の二人の総称。またこの二人を扱った作品に付けられるグループタグ。本項では主にこちらについて説明。
ゲーム内での特殊台詞などはないが、アニメ『刀剣乱舞-花丸-』2期では二人揃って山伏国広の修行に同行する場面があり、仲は良いことが窺える。
ちなみに数珠丸恒次の方が先に作られたため、二次創作では彼が兄と解釈される事が多い。
史実においては、数珠丸恒次とにっかり青江に元主などの関わりはないが、1982年に東京国立博物館の「備中青江の名刀」展で共に公開されたことがある。
構成メンバー
戦装束は二人揃って濃紺の学ラン風の洋装であり、その上から白い羽織もの(数珠丸は半袈裟、にっかりは白装束)をまとっている。内番服は白いライン入りの青ジャージを着用。
鎌倉時代、備中古青江派の刀工青江恒次作とされる。(※1)
刃長二尺七寸七分(82.1cm)、反り3.0cm、元幅4.0cm、先幅2.0cmの太刀で重要文化財に指定されている。
刀帳番号19。脇差男士。
南北朝時代、備中中青江派の刀工青江貞次作とされる。(※2)
刃長1尺9寸9分(60.3cm)、反り1.2cm、先幅2.6cmの大脇差で重要美術品に指定されている。
元は2尺5寸(75.75㎝)の大太刀(現代の基準では太刀)であったが、豊臣秀吉の手に渡った際に磨上されたとされる。
ゲーム内では「にっかり」とひらがな表記だが実在する刀剣の方は「ニッカリ」「珥加理」と表記されることが多い。
その他・注訳
・ゲーム内で刀派の表記はないが太郎太刀(刀剣乱舞)(刀帳番号132。大太刀男士)は末之青江の刀工作とされる。
真柄太刀(まがらたち)とも呼ばれる、刃長7尺3寸余(221.5cm)の大太刀である。
※1…同じく備州を代表する刀派である古備前派にも恒次という名の刀工がいる。
数珠丸の銘は「恒次」としか刻まれておらず刀派を判別する表記がない上、数珠丸の作風は他の古青江派の作風と異なる…といった点から古備前派の恒次作ではないかとの説もある。
※2…作者については諸説有り。
そもそも青江恒次、貞次共に同名の刀工が数代おり、数珠丸恒次の作者である青江恒次の兄にも青江貞次という刀工がいるためこちらの刀工の作ではないかと言う説もある。
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