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駄名

だめい

『あはれ!名作くん』の登場人物、滅田駄作×松田名作のBLカップリング。
目次 [非表示]

「ひとに何て言われたって、君が憧れてたんならそれは名作だ」



概要


出会い

第1シーズン26話、松田名作のクラスに滅田駄作という少年が転校してくる。

名作とは対照的に、駄作は名作物語を憎んでいた。「名作の真実の姿」と称し、スウィーツボルトの愛する名作物語を、その穴を突くような持論で次々と否定していく。

しかしその言動には理由があった。彼は幼いころ、憧れていた物語を周囲に駄作だと嘲笑されたのだ。その経験から彼は「信じていた名作に裏切られた」と感じ、「名作は上から目線である」「世の中の名作は本当は駄作」と考えてすべての名作を闇に葬るという野心を抱くようになる。


その話を聞いた名作は、駄作の気持ちに理解を示しつつ、「ひとに何て言われたって、君が憧れてたんならそれは名作だ」と言葉をかける。

このシーン、注目すべきなのは、険しい顔で憧れの名作を読んでいた幼い駄作の背景が、沈むような暗い色から空のような明るい色へと変化していること。名作物語を憎む気持ちに捕らわれていた彼の心情が、名作の言葉によって変わったことの示唆といえるだろう。

名作の言葉を聞いた駄作は、自分の憧れの作品(『けんこうこつたろう』という肩甲骨のちょっと大きなおじさんの物語)を改めて駄作だと認めつつ、「たとえ周りになんと言われようとも、俺は駄作が好きなんだ」と、自分の素直な気持ちを初めて自覚する。「名作を憎む」というマイナスの気持ちから、「駄作が好き」というプラスかつ前向きな感情を持てるようになったのだった。


彼との一件、そして彼の存在は、『あはれ!名作くん』において、「作品の出来」の「良い」と「悪い」はただの二項対立ではなく、「悪い」には「悪いからこそ好き」という好意の存在も肯定される、物語を愛する物語の主軸となる思想を示してくれた。



その後の関係

初登場回以降、お互いをライバルとして認めたふたり。

第2シーズン76話で駄作が再登場すると、なんと名作物語のテストでクラス1位を獲得し、自他ともに認める名作オタクである名作をも凌駕する知識を持つことが判明。しかし駄作にとっては不本意な結果であり、名作も名作のテストにだけは自信を持っていたためショックを受ける。

アイデンティティの危機を感じた名作は掴みかからんばかり(というか掴みかかっていた。距離が近すぎる)の勢いで駄作に再戦を挑み、いつものメンバーにテストを作ってもらって勝負することに。テストの内容は名作物語に関係のないものばかりで名作はほとんど得点できなかったが、なぜか駄作は満点という結果を残し、駄作の勝ちに終わった。「名作なんて嫌いなのに~!」


駄作が名作物語に造詣が深いのは一見すると矛盾であるが、「出来が良い」という指標があってこそ、「何が物語を駄作たらしめるのか」がわかるので、駄作が駄作たる所以を分析するためには、「何が名作たらしめるのか」を知る必要がある。

つまり、「名作たる所以」を知れば知るほど、その要素を排除した「駄作」について理解を深めることができるので、駄作は名作物語を読み込んでいる、ということなのだろう。

嫌いな名作物語を、好きな駄作物語のために読み込まなければならない悲しさも見えるが、むしろここまでくると駄作への愛と情熱がすさまじいといったほうがいい。


「良い」がなければ「悪い」はなく、「悪い」がなければ「良い」もない。

彼らは対極の存在でありながら、お互いのアイデンティティのためには相手の存在が不可欠なのである。



ひとつの決着

そして第3シーズン、彼らの関係にひとつの決着がつく。116話と117話、神回と名高い「ネバー名ディングストーリー(前後編)」である。


ある日、いつものように登校してきた名作たちだが、学校の雰囲気がいつもと違う。名作物語の授業の時間で、その原因が「物語の内容がおかしくなっている」ことだと気付く。自分たちだけが、正しい物語の記憶を保持しているのだ。

つる公も交え、名作たちが異変の原因を探ると、最近「駄作堂」といういかにも怪しい本屋ができていたことに突き当たる。その店では駄作が店番をしていた。そして彼が(※勝手に)自白して曰く、駄作は本の中に入れる本を手に入れて物語を書き換えていたのだった。

ノキオらは大切な物語を台無しにされ憤る…のだが、まとめ役であるはずの名作は一人だけ見たこともないほど顔を輝かせる「ネバーエンディングストーリー」のような展開に興奮した名作はその表情のまま駄作にしがみつき、本の中に入れる本を使ってみたいと迫った。このときの「おねがぁ~い♡」はシリアスシーンも吹っ飛ぶほどの破壊力である。必見。

本の中に入れる本に逃亡した駄作を追い、名作たちも物語の世界へ飛び込む。そこに待ち受けていたのは、駄作の言葉に騙され、正しいストーリーから外れた行動をとる昔話の登場人物たちだった。駄作のもとに辿りついた一行は、名作物語が自分たちにもたらしてくれる教訓を引いてその行動の愚かさを諭しつつ、駄作の書き換えた物語は面白くないと一喝。駄作は考えを改め、自分が考えるオリジナルの駄作物語を作ると決意した。


この回での駄作の行動は結構洒落にならない大事件で、「名作物語に憧れ、それにふさわしい者になろうとする人たちの物語」という、『あはれ!名作くん』の根幹を揺るがす凶行であった。

しかし駄作の書き換えた世界は「誰も傷つかない物語」であるとの指摘もされている。「誰も傷つかない」という観念が果たして正しいかはさておくとしても、「ネバー名ディングストーリー」には、彼の信念や理想が垣間見える。駄作は3つの登場回をかけて、名作たちとともに成長していることが示されているのだ。




といった具合に、駄作の登場回数こそ比較的少なめであるものの、その回の濃厚さは作中屈指であり、「救済」「ライバル」「正反対のあり方」「お互いがお互いのアイデンティティを脅かし、同時に保証する」「片方(名作)からの無自覚な物理的距離の詰め方が異常」「回を重ねるごとにどちらも成長する」等、関係を深掘りしたくなる要素は多い。

今後の展開が期待される。



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