概要
高橋ゆたかによる日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』にて連載された。
前作『ボンボン坂高校演劇部』よりも更にラブコメ色を強化。メインヒロインは女主人公へシフト。サブヒロインはダブルヒロインの片割れへシフト。更に、ジャンプのお約束の男だらけの格闘大会の要素まで。
WJの純粋なラブコメ以外のヒロイン主体の作品の宿命で、読者アンケートでは下位にあり、最後は打ち切りにあった作品だが、話はちゃんと完結している。
WJでロボットの女の子が沢山出る作品はよくあったが、魔女っ子が沢山出るこの作品は当時としてはイレギュラーである。
単行本は4巻刊行された。現在は電子版でも配信されている。
第一話の見開き表紙が電子版ではカラーからモノクロになり、「よくある話じゃないですか、(以下、萌え系ではよくある設定)」の手書きポエムの下りがカットされた。
ストーリー
アイルランド南方の洋上にある、魔法の結界によって外界から閉ざされた伝説の島・アヴァロン島。そこで暮らす魔女たちは、14歳になると大人として認められ、人間の男(結婚相手=奴隷である)と結婚することが許される。
魔女の結婚は、男は全身全霊を尽くして魔女に従う奴隷となる、女性上位の結婚だが、掟によって魔女の長老が魔法で捜し選んだ相手としか結婚できない。
ビビアンの結婚相手に選ばれたのは、日本人の男子中学生・あかり一休。理想のタイプだったため、ビビアンは大喜びするが長老のミスで親友のアラウネの相手にも一休が選ばれていた。
長老が予備候補を選んだが、選ばれた結婚相手は、ロシア人の変態親父アンドロコフ・サノバビッチだった。当然のことながら、ビビアンもアラウネも一休がいいと主張して、ビビアンとアラウネの友情はその場で消滅して、一休をものにしようと恋愛バトルが始まる。
だが肝心の一休は修行中の身だからと二人を相手にしない。
ビビアンとアラウネは外国人留学生として一休の中学へ転入し、さらに一休が住む大惨寺に居候して、師匠のあかり伝休を巻き込んで、てんやわんやの生活が始まった。
しかしビビアンとアラウネは一休と共に過ごすうちに、二人とも純粋に一休に恋していく。
ビビアンの祖母ラナンも押しかけて、一休の日常や大惨寺は人間と魔女が同居する賑やかなものになる。
そんな中アヴァロン島で「奴隷(ムコ)自慢格闘技大会」が開催されることになり、ビビアンは勝手に一休を奴隷として参加してしまう。知らずに連れてこられた一休はそのことを知っていったんは帰ろうとするものの、アニタやサマンサたちに馬鹿にされるビビアンを見て、「修行のため」と参加することにする。
一休は他の魔女たちの奴隷を圧倒して決勝戦まで勝ち進むが、落ちこぼれのビビアンとその奴隷である一休が優勝するのが気に入らないアニタたちは、ビビアンと一休を追いかけてきたアラウネを洗脳してビビアンたちを殺そうとするが、それがきっかけでアラウネの秘めた魔力が目覚めて暴走してしまう。
暴走するアラウネを助けるためにビビアンはアラウネの膨大な魔力を体内に取り込み命を落としかける。そんなビビアンを助けるために一休たちは奔走し、自分たちを命を賭して助けたビビアンを見て反省したアニタたちも協力して、ビビアンは回復した。
「奴隷(ムコ)自慢格闘技大会」で優勝した一休をラナンも認めざるをえなくなり、ビビアンと一休の結婚を認める。
秘められた強大な魔力に目覚めて落ちこぼれでなくなったアラウネは独身の魔女として生きていくことを決意して(サノバビッチとは結婚したくないため)、ビビアンと一休の幸せを願って身を引き、アヴァロン島へ帰って行った。
ビビアンと一休は晴れて公認の仲となって終幕となった。
登場人物
14歳の魔女。巨乳。なんでも鑑定団好き。魔力は超強力だが、魔法を操るテクニックがド下手なために、魔女の中では落ちこぼれ。魔法の成功率は0%に近いが、魔力だけは並外れているために周りに被害を及ぼす名人。
魔法の呪文は「ムチムチプリン」
大らかで気のいい性格。ドジでおっちょこちょいだが、いつも元気いっぱい。
一休に惚れこんで、振り向いてもらおうと健気に努力する。
友達を思う気持ちは強く、終盤ではアラウネを助けるために、アラウネの膨大な魔力を体内に取り込んで命を落としかけるが、一休たちに救われた。
裕福な家のお嬢様で魔女。年齢は14歳。ビビアンとは子供の頃からの大親友。魔法を操るテクニックは天才的だが、魔力が超弱いため結果が伴わない。そのためビビアン、サラと並んで落ちこぼれ扱いされている。
魔法の呪文は「デルデルデルモ」
お嬢様らしく品があり、少々高飛車なところがあるが、根は優しい性格。
美しさとスタイルには自信があるものの、唯一貧乳なのが悩みのタネ。作中「ペチャパイ」と揶揄される場面が何度かあった。
長老のミスで結婚相手がダブルブッキングしてしまい、一休を結婚相手にしようと、ビビアンとことあるごとに対立する。
アニタたちに洗脳されて操られたことがきっかけで、潜在的に秘められていた凄まじい魔力に目覚める。
一休に純粋に恋していたが、魔力に目覚めたことで魔女として独り生きていくことを決意して、一休とビビアンの幸せを願って身を引いた。
14歳の日本人。ビビアンとアラウネの結婚相手に選ばれる。至って真面目な常識人。赤ん坊の頃に大惨寺に置き去りにされ、伝休に拾われるとともに拳法を叩き込まれる。戦闘力は非常に高く、自動車を素手で真っ二つにしたり、他の魔女たちの奴隷を圧倒する武力の持ち主。
修行中の身のため、女の人に触れることは固く禁じられていて、ビビアンとアラウネから言い寄られてもあまりその気にならないが、二人の気持ちにはまんざらでもない様子。
優しい性格で、ビビアンがラナンの魔法でブサイクにされて全男子学生からそっぽを向かれたときは、「ビビアンが元に戻らなかったら俺が面倒をみてやるよ」と慰めていた。
あかり伝休
大惨寺の住職。一休の師匠。14年前、大惨寺の門前に捨てられていた一休を拾って育てた義理の親でもある。スケベな性格で、人間離れした行いは予測不可能。作中きっての戦闘力の持ち主。ラナンの魔法を跳ね返すなど、ラナンとは互いにライバル心を燃やしている。
ラナン
ビビアンの祖母。魔女の中でも一二を争う魔法の使い手で、実力は極めて高い。外見は幼いが、もの凄い厚化粧をして若作りしている。
魔法の呪文は「バアバババアー」
サノバビッチとビビアンを結婚させたがっていて、一休との結婚には反対している。
だが、ビビアンが手違いでラナンの眠り薬を飲んで眠りについたときは一休に目覚めのキスをしてほしいと頼むなど、いざというときは一休を認めていた。
「奴隷(ムコ)自慢格闘技大会」で一休が優勝したことで、最終話でビビアンと一休の結婚を認めた。アラウネにはサノバビッチとの結婚をとりもとうとしたが、アラウネに全力で断られていた。
丈飛鳥(鈴木一夫)
ヤクザの組長の御曹司であると同時に陰の生徒会長兼番長。ナルシストな性格。ビビアンに求愛するが、ビビアンが一休にゾッコンのためにまったく相手にされてないことに、本人はまったく気づいていない。
「奴隷(ムコ)自慢格闘技大会」ではアラウネと共に駆けつけて、アラウネの奴隷として、一休を負かすべく参加するがあっけなく敗退した。
長老
3000歳の魔女。最も人生経験と魔法に長けた魔女の長老。Tフロントのパンツにピンヒールを愛用。ラナンとは知り合い。
手違いでビビアンとアラウネに同じ結婚相手(一休)を選び、予備候補としてサノバビッチを選んだために、二人の争いを引き起こした。
アンドロコフ・サノバビッチ
45歳のロシア人。結婚相手がだぶったビビアンとアラウネのために長老が選んだもう一人の結婚相手。容姿が醜く、女性用の下着を頭に被っているとんでもない変態親父のため、ビビアンとアラウネはサノバビッチを拒絶する。
拳闘吉
ボクシング部のエース。
空手蔵
空手部の主将。
山田はじめ
一休のクラスの担任。なにわのジェイソンと呼ばれる。
日陰百合子
一休のクラスメイトの少女。秀才だが病弱。
百合子の父
百合子の父。一休のファーストキスの相手。
お鶴
タイムスリップしてきた少女。修行一筋の一兵衛を慕っている。そんな彼女に自分たちの姿を重ねたビビアンとアラウネは一時的に協力してお鶴を元の時代に返した。
一兵衛
お鶴が恋する相手。剣一筋のため、自分を慕うお鶴の気持ちをうれしく思うが、素直に受け入れられないでいる。
サラ
ビビアンの友人で幼なじみ。魔女の学校ではアラウネと3人そろって落ちこぼれ仲間で、魔女学校では「落ちこぼれベスト3」と呼ばれていた。
他の魔女たちと異なり、気弱でおとなしい性格。「奴隷(ムコ)自慢格闘技大会」に呼ばれるが、心優しい性格から奴隷はいなかった。キモはそんなサラを気に入って、自分からサラの奴隷になった。
キモの力で決勝戦まで勝ち進み、そのことでアニタたちの嫉妬を買う。
落ちこぼれだが、キモの話から回復魔法の才能はある様子。
キモ
格闘家の青年。他の男たちと違い、魔女にたぶらかされておらず、あくまで自分の意志で奴隷として雇われていて、いざというときは魔女を見切って圧倒する戦闘力を持つ。
元々は別の魔女に奴隷として雇われていたが、サラを気に入り、その魔女を見切ってサラの奴隷になる。本人曰く守ってやりたくなるような女がタイプ。
過去の因縁から、伝休の弟子である一休をライバル視するが、ビビアンの危機にはサラと一緒に一休を助けた。
アニタ
ビビアンの同窓の魔女。冷酷な性格で、奴隷は使い捨ての道具程度としか思っていない。落ちこぼれのビビアンを見下している。落ちこぼれのビビアンやサラが自分たちを負かしたことが気に入らず、他の魔女たちと結託してアラウネを操り、ビビアンたちを殺そうとする。だが、そのことでアラウネの秘められていた魔力を暴走させてしまう。ビビアンに命を救われたことから心境の変化が生じ、「借りを返す」という名目でサマンサたちと共にビビアンを助けようと協力した。
サマンサ
ビビアンの同窓の魔女。アニタ同様、危険な魔法を平然と使用し、奴隷の命を省みない冷酷な性格。落ちこぼれのビビアンやサラが自分たちを負かしたことが気に入らず、アラウネを操ってビビアンたちを殺そうとするが、アラウネの魔力が暴走して危機に陥り、ビビアンに助けられる。アニタ同様、死にかけたビビアンを助けるために協力した。
カール
アニタの奴隷。一休の一回戦の相手。命を落としかねない危険な魔法で肉体を強化され、一休に襲いかかるがあえなく敗北する。敗北後、魔女にたぶらかされていたと、自分の目を覚まさせてくれた一休に礼を言った。
ダルマ
サマンサの奴隷。キモの一回戦の相手。サマンサの魔法によって怪物の姿になり序盤から攻め立てるが、元に戻ったときの反動を考慮したキモの温情による作戦と説得で、大きなダメージを負うことなくギブアップ負けした。