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概要編集

主に、出家して法体となりながらも俗世間で権力者の側近となり、国政に参与して多大な権勢を振るうようになった者を指して、同時代もしくは後代の人間が呼び習わしたものである。

その由来として、僧の中でも一番位の高い者が着る法衣が黒色である事、そして朝廷の高官である参議の中国での呼称が「宰相」である事が挙げられる。また仏門によっては黒衣ではなく、紫色の紫衣が同様の扱いとされる事から、「紫衣の宰相」と呼ばれるケースもある。


代表的な人物としては、以下の面々が挙げられる。

  • 信西:平安後期の学者。学才に優れながらも、当時の貴族社会での栄達が望めないとして出家したが、その後妻が乳母となっていた後白河天皇の即位などにより、その側近として絶大な権勢を振るった。
  • 太原雪斎:戦国期の武将。今川義元の教育係として知られ、彼が長じてからはその家督継承を助け、生涯にわたって軍事・政治両面で貢献した。
  • 安国寺恵瓊:戦国期の武将。毛利氏の外交僧として辣腕をふるい、後に豊臣秀吉にその働きぶりを買われて僧でありながら大名にまで上り詰めた(異説もあり)。
  • 南光坊天海徳川家康の側近の一人。草創期の江戸幕府における朝廷政策・宗教政策に深く関与した事で知られる。

関連タグ編集

僧侶 武将 二つ名 複数名で語られる武将


  • リシュリュー - 17世紀のフランスで絶大な権勢を振るった宰相の一人。国政にかかわる傍らカトリック教会の枢機卿も務めており、西洋における「黒衣の宰相」とも言える。着てる服は赤かったが。

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