概要
中国兵器工業集団有限公司が製造しているM16のデッドコピー品である。
曲がりなりにも最初は許可を取って製造していた56式自動歩槍とは違い、こちらは完全に無許可で製造されている。
しかし、AR-15の特許自体がこの銃が登場してからすぐに切れている為、一切問題となっていない。(アメリカの特許保護期間は20年程度。)
日本国内では「CQ311」で通っているが、俗称に近く、他にも「CQ5.56」や「CQM-311」といった名称も存在しており、海外では「Norinco CQ Rifle」と呼ばれている。
グリップはリボルバータイプの拳銃のような形状でストックはライフルストックのような形状、フロントサイトのデザインも異なり、一番独特なのがハンドガードで、A2系のような筒形だが、うねったようなデザインになっている。
ただし、モデルによってはフロントサイトのデザインが元のM16そのままのモデルもある。
基になったのはアッパーレシーバーの形状から判断するとM16A1と思われる。
表面仕上げは本家本元のM16もそれなりに荒いことが多いのだが、それと比べてもかなり粗雑な部類である。
また、M4カービンに準ずる短縮モデルの「CQ-A」も製造されている。
こちらのモデルは表面仕上げが改善されており、綺麗になっていてそれなりに売れていたそうだが、こちらは形状がM4カービンそのまんまである為コルト社から訴えられる懸念があったために早めにアメリカ事業からは撤退しており、アメリカが法律上小銃を他国に輸出できなくなって以降はカナダといったアメリカ以外の国で良いセールスを記録した模様。
本家本元のAR-15系列対応のカスタムパーツが使用可能であるため、マニアに本家ARと遜色ないカスタムを施されたものも存在する。
中国国内ではいろんな意味で大成功していた56式とは違い、警察でたまにカービンモデルが使用されることがあるが、軍用としては一切使用されておらず、1980年代にムジャーヒディーンに秘密裏に援助の一環で渡されたり、発展途上国の軍やテロリスト、犯罪者が少数使用している程度である。それ以外は他国で民間用が安価で撃てるAR-15として親しまれている。
また、イラン等ではこの銃の更なるコピー品であるS-5.56が、他にもいくつかの発展途上国でこの銃のクローンが作られている。
特にS-5.56はタクティカルカスタムされたものが出てくることが多い。
値段が安い(COLT製AR-15の約三分の一)ためか、アメリカ映画でM16の代役として大量に出演したり、中国映画で米軍が用いるモックアップ等で登場することが多い。