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FW14

えふだぶるじゅよん

FW14は、イギリスのレーシングチーム「ウィリアムズ」とフランスの「ルノー」がタッグを組んだ1991年のF1マシン。
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概要編集

FW14は、イギリスのレーシングチーム「ウィリアムズ」とフランスの「ルノー」がタッグを組んだ1991年のF1マシン。

テクニカルディレクターはパトリック・ヘッド、チーフデザイナーは前年の途中にマーチ(レイトンハウス)から移籍してきたエイドリアン・ニューウェイ。

ドライバーは、この年からチームに復帰したナイジェル・マンセルリカルド・パトレーゼのコンビ。

エンジンはルノーV型10気筒エンジンのRS3と、その改良型であるRS3Bを搭載した。


マーチ(レイトンハウス)から移籍してきたニューウェイとヘッドの共同体制から生まれた第1作目。前年のFW13Bをベースに、ニューウェイの空力デザインを融合させた。


駆動系には、前々年(1989年)のフェラーリに続いて(F1では)2チーム目となるセミオートマチックトランスミッション(セミAT)を採用された。

さらにノーズの先端を若干持ち上げ、コクピットの開口部はドライバーの肩が露出するニューウェイ独特の5角形デザインとなった。


この年から、チームのメインスポンサーとしてキャメルが加わった。

序盤2戦はコクピット前部のみキャメル・イエローにペイントされ、エンジンカバー部は白い空きスペースだったが、第3戦以降はエンジンカバーもキャメル・イエローにペイントされた。


第7戦フランスGPよりロングノーズと改良型のフロントウィングが投入された。最終戦・オーストラリアGPでは翌年へ向けての先行開発として、スペアカーにアクティブサスペンションが搭載された。

フリー走行ではマンセルがアクティブサス搭載車で走り「バンプ上ではノーマルサスよりずっとスムーズに走れた。以前と違い実戦で使えるレベルに来ている」と高評価を与えた。


このように、前年の途中まで所属していたマーチ(レイトンハウス)での経験を活かしたニューウェイによる最新の空力コンセプトと、ヘッドの堅実なマシンパッケージングが絶妙に噛み合って高いパフォーマンスを発揮した。

F1関係者からは、同年に開発されたマシンの中では最も総合性能の高いベストマシンとも称された。

ただし、シーズン序盤は前述した(チームとしては初採用の)セミATにトラブルが頻繁しリタイアの原因となった他、ニューウェイのマーチ(レイトンハウス)在籍時のマシンの弱点でもあった「最適な車高とレーキ角の範囲が狭く前後の車高変化で空力効率が大きく変化してしまう」という悪癖は本車でも時折発生し、翌年以降の課題とみなされた。




マシンのメカニズム編集

 

マーチ(レイトンハウス)から移籍してきたニューウェイとヘッドの共同体制から生まれた第1作目。FW13Bをベースに、ニューウェイの空力デザインを融合させた。ノーズの先端を若干持ち上げ、コクピット開口部はドライバーの肩が露出するニューウェイ独特の5角形デザインとなった。


前述した通り、駆動系にはフェラーリに続いてF1では2チーム目となるセミオートマチックトランスミッション(セミAT)を採用した(フェラーリは縦置き7速、ウィリアムズは横置き6速仕様)。フェラーリと同様、ステアリング裏のパドルで変速操作を行う。


エンジンはジョイント3年目となるルノー製V型10気筒エンジン。シーズン中、RS3からRS3Bに換装された。圧搾空気でバルブ開閉を制御するニューマチックバルブシステムを搭載し、14,200回転で770馬力を発生。また、エルフ製の特殊燃料も使用し、ホンダやフェラーリのV12エンジンに対抗した。


1991年シーズン編集


序盤戦は、この年から導入したばかりのセミATにトラブルが多発した。

序盤4戦で(両ドライバー合わせて)リタイヤ6回を喫し、同じく優勝4回と2位と3位が1回ずつのマクラーレン勢に獲得ポイントで大きく引き離された。

一方でFW14の速さは、シーズン開幕戦の時点で他チームも認める程であり、ライバルであるフェラーリのテクニカル・ディレクターのピエル・グイド・カステリは、開幕戦の時点で「レギュレーション変更によるフロントウィング幅の縮小をウィリアムズ(エイドリアン・ニューウェイ)が最もうまく解釈して最高のマシンを作り上げたね。今年はFW14が最も優れたマシンだ」と認めるほどであった。


第5戦カナダGPでは、マンセルが首位を独走するも、ファイナルラップのオールドヘアピンでストップしまい、勝利を逃した(完走扱いで6位)。

しかし第6戦メキシコGPでパトレーゼが速さを見せ、シーズン初勝利かつウィリアムズの1-2フィニッシュで飾った。

シーズンが進むにつれて、マシンの信頼性を高めたFW14はその高いポテンシャルを発揮し、第7戦フランスGPから第9戦ドイツGPまでマンセルが3連勝を果たす。これにより、マクラーレンとのポイント差を一気に詰め、終盤戦までタイトル争いを繰り広げた。


結局、マクラーレンの8勝に対して、ウィリアムズはシーズン7勝(マンセル5勝、パトレーゼ2勝)を果たし、タイトルは逃したものの、トータルパッケージの優秀さを示したシーズンとなった。

ただ、序盤戦の躓きやハンガリーGPとベルギーGPのマシントラブルで逃したポイント、特に前述のカナダGPの幻の勝利やポルトガルGPのピット作業での失策でマンセルが黒旗失格となったことが致命的となってしまい、最終的にはマクラーレンの逃げ切りを許してしまった。



シーズン終了後の展開編集

1992年シーズンには前述の車高変化に敏感な空力特性をカバーすべく、アクティブサスペンションを搭載したFW14Bとして投入された。

そしてこのマシンを得たマンセルは、F1デビュー13年目にして遂に大輪の花を咲かせる事になる……。



関連タグ編集

ナイジェル・マンセル リカルド・パトレーゼ ウィリアムズF1 ルノー F1


改良型 FW14B

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