概要
第一次世界大戦に敗れたドイツ軍は航空機の保有を禁じられていた。
このため名目上はスポーツ機として軍用機を開発していたハインケル社は、HD43などに続き1932年にはすぐれた性能を持つ複葉戦闘機He 49aを開発した。
空軍再建をすすめるドイツ航空省はHe 49aに注目し、改良を加えたHe 51の試験開発が進められた。
Ar 65に代る主力機として期待されたHe 51だが、その実態は既に時代遅れになりつつある羽布張り胴体の複葉機にすぎず、武装は第一次世界大戦の戦闘機と同じ機銃2挺、速度も同時代の他国の戦闘機と比べても見劣りした、特に優れたところのない平凡な複葉戦闘機だった。
スペイン内戦初期には活躍したものの、共和国軍がソ連からI-15やI-16を導入するとたちまち弱体さを露呈することになる。
特にI-16に対しては全く歯が立たず、ドイツ空軍は新鋭機Bf109の投入を急ぐことになる。
ドイツ空軍ではBf109が配備されるとほぼ同時に戦闘部隊から引き揚げられ、以後は練習機や対パルチザン用の戦術攻撃機として利用された。
性能諸元
武装: 7.92 mm MG17機銃×2
エンジン: BMW VI 73Z 12気筒V型エンジン 750馬力
速度: 330 km/h
航続距離: 570 km
全高: 3.20 m
全幅: 11.00 m
全長: 8.40 m
自重: 1460 kg