概要
MISSINGPARTSはドリームキャスト、PS2、PSP用ゲームソフトである。
発売はDC版・PS2版がフォグ、PSP版が日本一ソフトウェア。
正式名称は『MISSING PARTS the TANTEI STORIES』(ミッシングパーツ ザ 探偵ストーリーズ)
新米探偵が周囲の個性的な人間たちと交流しつつ、難事件を解決していくというオーソドックスな探偵物である。登場キャラクターに関する描写が非常に丁寧なのが特徴で、事件解決に関係ないような日常シーンをも作りこんで描かれている。
マイナーな作品だが、膨大かつ軽妙なテキストや魅力溢れるキャラクター、終盤の怒濤の展開などから、ある雑誌のソフト読者投票にて3位にランクインするなど、ユーザーからの評価は高い。
全6話によって構成されたシリーズ作品であり、ゲームはこの6話が連載形式で順番に発表されていった。
2002から2003年にかけて、ドリームキャストで全三部作として発売された。後に2003~2004年にかけては、二部作でサウンドモード等が追加されたプレイステーション2版で発売されている。
2012年に発売されたPSP版になって初めて全ての物語が1枚のディスクに収録されることになった。
各話ごとに別の事件の謎解きを行う。ただし、それぞれの話ごとに細かいつながりがあり、全話をプレイすることで隠された全体像が明らかになるという仕組みになっている。
一柳和の受難シリーズは、本作と同じく西ノ宮勇希がシナリオを担当している。そのため、本作のセルフパロディが随所にちりばめられている。
ストーリー
6つのアンティークが謎を呼び、真実を語る。
真神恭介は鳴海探偵事務所に勤める唯一の探偵である。
失踪中の所長・鳴海誠司の娘で所長代理の鳴海京香と2人で事務所を切り盛りする日々であったが、ひょんなことから京香とは腐れ縁である月嶋成美の経営するアンティークショップの雑用を兼務することになる。
ある日、壊れたオルゴールが成美の店に持ち込まれたことがきっかけで、恭介は名門木原家で起こる殺人事件に遭遇する。
しかし、それは大きな物語の始まりにすぎなかった。
地方都市“遠羽市”を舞台に、次々と起こる難事件。
事件を追う恭介は、いつしかその裏で密かに暗躍する者の存在に気づく。
無関係に見えた事件と人物は線で繋がり、やがて彼らは陰謀の渦へ飲み込まれていく……
主要人物
真神恭介
本編の主人公。鳴海探偵事務所の唯一の探偵。真面目でお人好しでキレイ好き。特技は推理と家事全般と貧乏クジを引くこと。
見習という立場ながら、事務所の看板。成り行きでアンティークショップの雑用を兼務するハメに。
鳴海京香
「鳴海探偵事務所」所長の鳴海誠司の娘。行方不明の父になりかわり所長「代理」。
探偵稼業はズブの素人なので恭介に頼りきり。
困っている人を見ると放っておけない。
白石哲平
成美の「目利きの師匠」である「柏木久蔵」のところの「若いモン」。
バリバリの関西弁を話す恭介の親友。
頼りにはなるがワトスンと呼ぶには少々テンションが高すぎる男。
月嶋成美
アンティークショップ店主。
働いているところはほとんど見られない謎の人。
明るいのが苦手だと言って、昼間はほとんど家の中。京香とは犬猿の仲?
柏木久蔵
引退した骨董屋を自称する謎の老人。
一見温厚な好々爺だが、謎が多い。
氷室裕
県警一課の古株刑事。
昔は切れ者で通っていたらしいが、今は昼行灯。
若い頃は元刑事だった鳴海誠司の部下だったとか。
森川直治
捜査一課の氷室の部下である若手刑事。
血気盛んで、「探偵」は嫌い。
鴨居奈々子
恭介が常連客である喫茶店のアルバイト女子高生。ヘンな新メニュー創作の達人。
天然系。この町は長くない真神にとって数少ない話し相手。
file
すべての話にはなんらかのアンティークが事件の鍵として絡んでおり、そのアンティークが各話のタイトルに冠せられている。
file 1 <鳴らないオルゴール>
ある日壊れたオルゴールがアンティークショップに持ち込まれたことが発端となり、恭介は名門木原家の養女である盲目の少女、潤と関わることに。
・・・当主なきあと、木原邸内外で次々に起こる殺人事件。
そして複雑且つ歪曲した人間関係。
恭介は、脇を固める個性豊かなメンツの助けを受け、事件解決のために奔走する。
file 2 <赤いカメオ>
アイドルユニット結成オーディション。
最終審査まで残ったアイドル候補生が謎の死を遂げる。
一度は自殺として処理されたものの、調査を依頼された真神恭介は様々な不審な出来事に遭遇する。
ネット上で氾濫する噂・・・。そして新たな殺人事件が・・・。
現場に残されたカメオに謎を解く鍵があるのか。
芸能プロダクションとTV局を舞台に錯綜する人間模様に、真神が斬り込む。
file 3 <託されたペーパーナイフ>
ことの発端は、探偵真神恭介の良き相棒(?)である哲平に、元舎弟の亮太から預けられた一本のペーパーナイフ。
亮太は理由も告げずペーパーナイフを託したまま、行方をくらましてしまう。
亮太を探す恭介と哲平は、下町の枕ヶ崎で不良達から中国人の少女「涼雪」を救う。
なんだかこのあたりでは哲平は「顔」らしい。
バーテンのサミーや情報屋のエミーらの協力を得て、ふたりは事件に巻き込まれていると思われる亮太を追うが、程なくして亮太からメールを受け取っていた不良達が次々に消える。
そしてまるで恭介を試すかのように、何らかの「見立て」と思われる殺人事件が次々と発生。
次第に明らかになる中国黒社会の存在。
恭介とともに活躍する哲平の出自も明らかに!?
file 4 <傷ついたテディベア>
哲平はワケ有りで友凛病院に入院中。
偶然同じ病院に通院していた奈々子の学校の担任教員が変死。
死因は毒物らしい。しかし彼は殺されるような人間ではないとのこと。
奈々子やクラスメートに事件の解明を強く懇願された調査を開始するが、やはり殺される原因など微塵も感じられない。そして今度は病院内で医師が転落死。
病院内にうごめく妙な組織の影。
事件の鍵は入院中の少女、まどかが持つテディ・ベアに?
テディ・ベアの調査を成美に依頼し、おぼろげながら姿を見せ始めた大組織に挑む恭介。
しかしその前に新たな死者が・・・。
file 5 <迷いの懐中時計>
久しぶりにスピリットに集まり飲んでいた夜、店を出た途端またしても殺人現場に遭遇する恭介達。
現場から逃走する不審な人影を目撃、しかしその姿を見た京香はなぜかひどく動揺し、この事件は自分が調査すると主張する。
戸惑いながらも一旦は任せるが、やはり上手くいかない。
恭介が独自に調査を進めると、無関係と思われていた別の事件に行き当たる。
単なる殺人事件ではないと感じた恭介は、ついに鳴海誠司の残した資料を読み解くことに…
file 6 <追憶のペンダント>
新築されたイベント会場で開催されるチャリティコンサートに出席するため、
潤(第1話登場)が帰国するという。
出迎えに行こうとした恭介達の前で、久蔵が襲撃された。
かつて手がけたすべての事件を辿る推理と誠司の残した資料から、敵は強大な組織だと察していた恭介は、潤の兄・浩司や、やはりイベントで再会したアイドル唯(第2話登場)達の協力を得て、組織の正体を探り始める。