あらすじ
地球から遠く離れたとある銀河系。
ここには惑星ごとにいくつもの文明が存在し、種族間の摩擦による宇宙戦争が幾度も起こっていた。
その戦争で"考える武器"と呼ばれる自律機動兵器が大量生産されるも、ほとんどが不良品で各地で暴走し、世界は大混乱。
その混乱を収める為、考える武器を基にしたパワードスーツ"能力"が開発され、その活躍で何とか戦争は終結。
その後も研究開発が続けられ、今では生活の一部となった能力。
その能力を使った宇宙最大の格闘技大会「フィストプラネット」が莫大な賞金付きで開催されている・・・という時代。
フィストプラネットでの優勝を夢見て参加費稼ぎに勤しむ二人組「トラヴァ」と「シンカイ」は、
ある時、妙にギャラが良い惑星探査の仕事を引き受け、銀河の端っこも端っこの未開の星「惑星ファーブル」に向かう。
道中、かつての戦争の名残である避難ポッドを見つけた二人は、拾うか無視するかで言い合いになりながらも何やかんやあってポッドを収容する。
中に入っていたのは、ヤケに腰周りがデカイ美女「ミクル」。ポッドに入る前の記憶が全くないと言う彼女を二人はひとまず保護。思わぬ旅の道連れが増え意気揚々とファーブルに向かうトラヴァとシンカイだったが、1つだけ気がかりがあった。
惑星ファーブルは実は以前知り合いが惑星探査に行った事があり、エリア78という1区画だけ残して調査は完了しているのだ。
そしてトラヴァ達が今回引き受けたのは・・・そのやり残したエリア78の探査とマーキングというしょっぱい仕事・・・
の割りには破格過ぎるギャラ・・・。
トラヴァ「なんかさ、ハメられたかもしんないよ俺達・・・?」
シンカイ「ババ引いた・・・!?」
その嫌な予感は見事的中することになる・・・。
ファーブルに降り立ちエリア78のマーキングを始めてみると、そこは何と考える武器「ガッソン」の棲み処と化していた!
おまけにおかしなエネルギーが原因で不可解な現象が起こるわ、出会ったら生きて帰れないと言われる「滅亡した巨人族の海賊船」が現れるわ、次から次へとヤバイ事が起こる・・・!
果たしてトラヴァ達は、ファーブルから無事生還する事が出来るのだろうか・・・!?
・・・ってな感じの話がアホみたいにゆっる~~~いテンションで繰り広げられるSFアドベンチャーである。
キャラ紹介
トラヴァ
↑イラスト中央 本作の主人公。本名トラヴィスチル=アニスタ。
人間に近い外見だが毛深く耳が尖っている等獣人の様な特徴もある"アニスタ族"の青年。
ノリと勢いで動く自分勝手で調子のいい性格だが、根は意外に真面目で勤勉なところもある。
能力使いとしての適性は凄まじく、愛機「スピードマスター」を駆るとトンデモない速さで飛び回ることが出来る。
かつて軍隊で能力部隊のエースとして活躍していたが、余りに他のパイロットと腕の差があり過ぎて除隊させられたという過去がある。
ちなみに顔に付いている横線は傷ではなく、当時軍で流行っていた刺青とのこと。
シンカイ
↑イラスト右手前 トラヴァの相棒であり女房役。
古代の甲殻魚類の様な顔が特徴の種族"チクルン人"の青年。
ゴツゴツした甲殻の肌にギョロっとした左目、ワキワキと伸び縮みし変形する右の義眼等、スターウォーズのモブ宇宙人ばりにグロテスクな外見をしているが、こー見えて本作一の"萌え要素"。
普段はトラヴァに「ハゲ」だの「童貞」だのとイジられてはぼんやりした口調でツッコむマジメなキャラ、
かと思いきやこっちも割とお調子者&スケベであり、一度暴走し出すとボケツッコミの立場が逆転する、
トラヴァとの口喧嘩では互いに「コノヤロー!!」と言い合ったりパニクった時は肩を抱きながら逃げたりと何やかんや仲が良い、
チクルン人特有の生理現象「先祖返り」で月に1回いきなり無口&ピュアな性格に変貌する、
物凄く綺麗な正座をする等々、非常にキャラが濃い。
一方メカニックとしての腕は超一流で、軍でもトラヴァ専属のメカニックとして腕を振るい、一緒に除隊させられてしまった今もスピードマスターや宇宙船の整備を一手に引き受けている。
トラヴァも「(機械いじりで)お前が間違えるワケねーんだよ」と語る程に絶対の信頼を寄せている。
右目の義眼は"スケルトンアイ"という非常に高性能な複合センサーであり、ズーム機能は言わずもがな、サーモグラフやX線による透視、スキャンによる機械や肉体のコンディションチェック、レーダーを使った惑星毎の時刻の割り出しまで出来るという、かなり便利なシロモノ。
ミクル
↑イラスト左奥 トラヴァとシンカイが拾った避難ポッドの中で眠っていた美女。
顔のど真ん中に大きな傷痕があり、"腰周りがヤケにデカい"。
記憶喪失になっており種族は不明。ミクルという名前も着ていたシャツに書いてあったから分かっただけであり、全く何も覚えていない。
シンカイが彼女の脳をスキャンしてみると人為的に消された形跡があり、戦争体験がトラウマにならない様避難ポッドに入る前に記憶処理をされたのでは?という結論になる。
末崎
トラヴァとシンカイの知り合い(おそらく同業者?)であり、以前ファーブルに赴いた調査隊の一人。
(まんま日本のサラリーマンとかツッコんではいけない。)
トラヴァがファーブルに出発する前にも一度会っており、エリア78に行くと聞いてニヤニヤしていた辺り何があるのか知っていた模様・・・。
ライター
幻の海賊船と言われる巨人族の宇宙船「ポッガー」の乗組員。大柄な肉体に、さらに大きなパワードスーツ型能力で全身を固めトラヴァ達の前に現れる。
威圧的な態度で話すがモゴモゴ喋る上に妙に早口なせいで何を言っているか聞き取りづらい・・・。
ヘルメットの下は意外に美男。
用語
考える武器(Thinking Weapon)
戦争協定により弾道ミサイルやガスといった大量破壊兵器の使用が禁止された結果、兵器会社のおっさん達が作り出した自律機動兵器。解り易く言うと無人戦闘用ロボットの総称。
ワクチンを打ち込めば機能停止するという規約があったが、生産された半数以上がワクチンが効かない不良品で、世界中で野放しにされた考える武器が暴走し虐殺を繰り返すという未曾有の大惨事を招いてしまう。
これにより能力を除いた考える武器は全て協定違反となり、現在は生産が禁止されている。
能力(The Power)
考える武器の中でも完全な自律稼動ではなく人が操縦するタイプ、所謂パワードアーマーや有人ロボット兵器に当たるものを指す。
不良品の考える武器が乱造され暴走事件が相次いだ戦争後期に、暴走した考える武器に対抗し得る兵器として脚光を浴び大量生産された。
戦争終結後も利便性の高さから量産と改良が続けられ、今では一般生活にもシェアが広がっている。
トラヴァ曰く「通販で部品揃えりゃ、そのへんのガキでも作れちまうぐらい」広まっているのだとか。
スピードマスター
トラヴァの愛機。かつて軍隊でトラヴァが搭乗、シンカイが整備していた能力を除隊の際に引き取り改造した機体。
シンカイの改造もあってか非常に運動性が高くスピードも出る超高機動型。能力使いの草レース大会では一度も負けた事がないため「スピードマスター」と名づけられた。
ガッソン
考える武器の中でも虫や節足動物をモデルにしたタイプ。
劇中では断片的にしか語られていないが、やはり虫がモデルだけあって考える武器の中でもかなり戦闘能力に優れたタイプのようだ。
中でもナカガワ工業製ガッソンは特にヤバイらしく、シンカイもその名を聞いて"本物のガッソン"と漏らす程。
トラヴァが軍でガッソンを始末する任務に出た際、スピードマスター単騎で撃破した最高記録は3匹。
これは当時の軍内でトップタイの数字、それもトップガンだったトラヴァが"それなりの飛び道具を持ってった上での"記録だというから、いかにガッソンタイプが危険かということが窺い知れる。