解説
大きく分けて、音の高さ(のみ)を変えるものと、発声を変えるものがある。
通常、おまけボイス等の小ネタやブレス等は含まないことが多いが、厳密な境界を引くのは難しいケースもある。
音の高さを変えるもの
ピッチシフトに伴う音質低下を抑える目的で、音の高さ以外は(極力)同じ声で収録するもの。通称多段階音源。もしくは拡張部分を高音源・上音源・↑音源、低音源・下音源・↓音源と呼んだり、まとめて上下音源等と呼ぶことが多い。
実はUTAUの原型ツールに使われていた炉利音コムも多段階音源である。
UTAU向けに録音されたもので時期の早いものとしては楓歌コトや桃音モモ等が有名。単独音とは言え桃音モモの18段階(!)というのもある。もちろん多段階連続音もある。
ちなみにVOCALOIDの場合は当初から内部に多段階のデータベースを持っており、UTAU的に言えば多段階連続音に近い構成である(実際は連続音=VCVよりもさらに細かい分割と再合成がされている)。
発声を変えるもの
主に強い発声・シャウト、ささやき声、裏声(ファルセット)、明るい声、暗い(シリアス)声などがあり、元祖は天音ルナの強音源(09年1月7日公開)。メジャーなものには雪歌ユフのささやき音源や、波音リツの強音源(通称「ストロングヴォイスマテリアル」)、桃音モモのファルセット音源等があり、公開から間も無い重音テトの巻き舌・語尾息音源も早速注目を集めている。
これらの普及した総称はまだ無いが、独自に表情音や属性音源?、エクストラライブラリー等の呼び方をしているケースもある。
実はミクappendより古い
初音ミクAppendの真似のような誤解を受けることもあるが(※1)、ミクAppend(10/4/30発売、β版音声公開時期は09年8月末)よりも歴史は古い。
機能の説明として「ミクAppendのようなもの」というのは特に間違っていないし分かり易い面もあるが、かと言って「ミクAppendの真似」「ミクAppendもどき」は多くの場合失礼である。
そもそもボーカル音源に限らずサンプリング音源全般の話であれば、同じドラムを強く叩いた音と弱く叩いた音を別収録等は以前からあり、特に新しいアイデアでは無いとも言える。
もっとも前述のように判りやすい総称がないこともあり、中にはAppendの表記を使うケースもある(※2)。
※1 貴野ユキVer4.0でlight darkの表記がミクのそれと被っていた&時期的に近かったため、ニコニコ大百科にミクAppendもどきと記述されてしまったことがある。
※2 「桃音モモAppend」の場合は拡張音源でなくMMDUTAUモデルにより武装が拡張された状態を指すので注意。
発声変化系の拡張音源
あ行: 天音ルナ(強) 有屋ギィ(地・裏) 歌う音ナミ(soft) 音魂屋二太郎(唸り・ひそひそ・ささやき・シャウト複数)
か行: 影音ヒメカ(soft) 蟹音ぱん。(♂・♀) 重音テト(巻き舌・語尾息・囁) 狐音クロ(多数) 転鳴エルヴィ(多数)
さ行: さてまろ(強) 紫苑ヨワ(多数) 翔歌トリ(弱と明瞭) 須布音ニク(太い) 雪歌ユフ(囁・裏)
た行: 貴野ユキ(明・暗) ただのレラさん(張った・温い) 橙屋イモコ・橙屋コハナ(強・弱) 轟栄一(ひそひそ・明・暗・裏・穏)
な行: 波音リツ(強)
は行: ほのか鳴(囁) 楓歌コト(弱・あにごえ) 星音ステラ(soft)速栖ギル(勇・和)
や行: 揺歌サユ(囁) 欲音ルコ(囁・弱・強・叫)善気ロク(勇・優)
ら行: 雷歌ヒビキ(弱・裏)
わ行:
A-Z : LOKE
むしろ特殊発声しかない音源
正確には拡張音源ではないが、結果的に似ている場合もある。
ネタ音源の類も多いが意外な使い方が出来ることも。
鵞鳴建(シャウト) 馬歌麻呂(公家風の高音発声) 響震路(ヴィジュアル系)