概要
漢字を含む日本語の文章を音声合成で読み上げるためのツールである。アイコンは毛が3本の青い顔。
Windows用フリーソフトとして2006年に初版が公開された。
音声合成エンジン・ライブラリとしてAquesTalkが同梱されており、2010年にAquesTalk2、2017年にAquesTalk10に対応した。しかし、2022年7月に対応が中止している(後述)。なお、同じくAquesTalkをベースとする読み上げソフト棒読みちゃんとは別のソフトである。
他にもMikoVoice・SAPI(唄詠・OpenJTalk・MicrosoftSpeechPlatform)に対応している。
シンプルな操作性で動作も軽く、また開発が続くにつれ多彩な機能を搭載することになった。特にニコニコ動画では「MUGEN」にてゆっくりの声として使われたことをきっかけに知られるようになり、その後ニコニコ動画やYouTubeにおけるゆっくり実況プレイなどの動画の多くでキャラクター音声として愛用されるようになった。
長年に渡ってゆっくりボイス(入力ソフト)の代名詞的存在として知られていたが、2022年7月23日に「ライセンス契約の方向性で折り合いがつかない」ことを理由にAquesTalkへの対応を終了(事実上の契約打ち切り)することがcnccから発表された。
対応終了を告知する声明によれば「AquesTalkを同梱している都合上、利用者がAquesTalkの機能を利用しておらず、(無償利用可能な)OpenJTalkのみを商用利用する場合も、AquesTalkの商用利用のためのライセンス料を払わなければならない状況にあった」「株式会社アクエストからの要望で新ライセンスに移行したが、旧ライセンス時代より冷遇されているように感じた」「アクエストとは話し合いの席が設けられることになったが、(アクエストが提示した会場の雰囲気や話し合いの内容のイメージが)軽い感じだと思い、建設的な意見交換はできないと判断し断った」などの経緯が語られている。また、開発者のcncc自身がライセンス問題で悩みを抱えていたため、趣味であるはずのプログラミングを楽しめなくなっていたことも語られている。
「SofTalkからAquesTalkを取ったら何が残るのだと言われそうですが、 フリーウェアから自由を取ったら本当に何も残らなくなります。」という一文にある通り、「フリー」であることに意義を持って開発が行われていることを表明している。
主な機能
太字は、棒読みちゃんに搭載されていない機能。
- 入力した文章の読み上げ
- クリップボードの読み上げ
- 声質(音程、速度、音量、高さ、アクセント、音程2)の切り替え機能
- 辞書機能(正規表現の指定も可能)
- アプリケーション連携機能(引数指定)
- 声質の設定を登録し切り替えることができるプリセット機能
- 句点、読点の無音時間をミリ秒で指定できる機能
- 特定の単語を含む行を読み飛ばす読み飛ばし機能
- 特定の単語を含む行の声を切り替える条件機能
- 英語しか話せないMicrosoft Zira達に無理やり日本語を喋らせる空耳機能