概要
ヤマノイモ目に分類される単子葉植物の科のひとつ。
世界の熱帯~亜熱帯を中心に5属 約1100種が存在するとされている。
海外ではこの科の植物を fairy lantern (妖精のランプの意)と称する。
ヒナノシャクジョウ科に含む場合もあるが、系統解析ではヒナノシャクジョウ科はヤマノイモ科、タヌキノショクダイ科はタシロイモ科に近縁とされており、別科とすることが無難。
近年、その内のアフリカに分布するAfrothismia属がタヌキノショクダイ科から独立し、新たに設立されたAfrothismiaceae科(仮称:アフリカタヌキノショクダイ科)へ移動された。
この仲間は植物の最大の特徴といえる光合成を行わず、周囲の菌類(アーバースキュラー菌根菌)から栄養を奪い取って成長する菌従属栄養植物(腐生植物)である。
光合成を行わない為、葉緑体を持つ葉は退化して花、茎、根のみとなっている。
ガラス細工のような鮮やかな美しい花を咲かせるが、その姿はどう見ても植物には見えず、むしろキノコや虫の様にもみえる奇妙な見た目をしており、その奇妙な見た目と生活様式から、最も不思議な植物と評されることもある。
普段は林床の落葉すぐ下の地中で成長し、地上部に現れる花が咲くのは1年の内わずか1週間程度のみであり、その花も極小であるため、この仲間を自力で見つけることは困難を極める。
存在に気づかれることなく土地改変を受けたり、人による林床の踏み固めなどの影響により、ほぼすべての種が絶滅の危機にある。
主な種類
タヌキノショクダイ属
日本に3種、世界に約90種が分布する。
Thismia亜属
Ophiomeris亜属
- Thismia panamensis
ハプロティスミア属
インド南部固有のグループ。
- Haplothismia exannulata
ティプティニア属
南米固有のグループ。
- Tiputinia foetida
ムジナノショクダイ属
2024年に設立された新属で、日本固有属。
ヒナノボンボリ属/ホシザキシャクジョウ属
日本とアフリカのカメルーンにそれぞれ三種が分布するという訳の分からない分布をしている。