「なぜ地球人は他人のために死ぬの?」
CV:伊倉一恵
概要
天の川銀河が赤色銀河と接触する大災害が発生した折、水惑星アクエリアスにより水没した惑星でヤマトに救出された異星人の少年。
その後、一旦は地球へ送り届けられるが、ヤマトがアクエリアスの地球接近阻止のため再出撃する際に、密航する形で再乗艦。艦内では佐渡酒造の食事をつまみ食いしたりしており、森雪に懐いていた。
行動は子供じみているが口数が少ない。しかし他人を庇って死んでいく地球人の在り方に疑問を禁じ得ず、森雪に質問している。
正体
ディンギル帝国の王ルガール大神官大総統の次男にしてルガール・ド・ザールの弟。
他人を庇って死んでいく地球人の在り方に疑問を禁じ得なかったのもディンギルの弱肉強食の教育を受けていたため。
地球の価値観に感化されつつあった彼は古代進を父の居る部屋まで案内したが、当然と言うべきかディンギルの弱肉強食を体現する父が折れる筈がなく、交渉に来た古代を始末しようとする父の銃撃を身を挺して庇い、死亡する。地球人を先祖に持つディンギルの少年は、最後には地球人として死んでいったのである――。
余談
敵国の元首の息子で、地球人と心を通わせるという結構重要なポジションにも拘らず、名前が設定されていない。
EDクレジットも彼のテーマBGMの曲名も尽く「ディンギル少年」であり、劇中でも「坊や」としか呼ばれない。
少年が救出された時、ヤマトのクルーは他のディンギル人も複数救助しているものの、船体が高波を受けた衝撃でコスモハウンドごと全員転落し、古代と彼が抱えていた少年のみがかろうじて生き残ったのだが、ディンギル人の先祖はかつてヤマトと同じように水惑星アクエリアスの回遊で水没しかけた地球から助け出してくれた旧ディンギル人を恩を仇で返すように滅ぼしてしまっており、もし複数のディンギル人を保護していたら、彼らは弱肉強食のモットーでヤマトや地球を乗っ取ろうと反乱を起こしていた可能性も高く、この悲惨な事故はヤマトや地球にとってはむしろ不幸中の幸いだったのかもしれない。