我らの前に現れるのは全て敵だ。ハイパー放射ミサイルを持って撃滅せよ!
CV:津嘉山正種
概要
- 所属:ディンギル帝国
- 階級:将軍
- 肩書:太陽系制圧艦隊司令長官
『宇宙戦艦ヤマト完結編』に登場する、ディンギル帝国のキャラクター。帝国指導者ルガール大神官大総統の長男であり、若いながらもディンギル艦隊を統率して太陽系の制圧に乗り出した。シリーズ中の全てを見ても、ヤマトに完全勝利した(戦闘不能に陥れた)数少ない人物でもある。
人物
自信と覇気を備えたような性格で、父親から任務を託された時は自信を持って受諾している。ただし、自信がある一方で慢心さがちらついており、遠いところだから安心していたがために、艦隊の全てを失う失態を生じている。(寧ろヤマトの攻撃方法がとんでもないだけかもしれない)。
ディンギルの人間らしく、他国の人間がどうなろうとも同情や思いやる気持ちは持っていない様子。自分ら民族の存続の為に非戦闘員が乗った地球の避難船団を1隻残らず殲滅していることからも、そのことが窺える。同時に、同族の死に対しても、あまり感傷的にはならなかった。さらには、負傷者救助中のヤマトを襲って、救助員諸共に虐殺するという外道極まりない方法もとる。
また、若さ故かメンタル面では脆いところがあるようで、任務に失敗した時の落胆ぶりからも分かる。(失敗=死刑という事になりかねないという、ディンギル帝国内部の事情もあった可能性がある。)
立ち直りは早く、汚名返上の機会を与えられた時は直ぐに気持ちを入れ替えて、ヤマト撃滅の為に全力で出撃していった。
家族関係
家族には父親のルガールを始めとして、母親と弟がいた。母と弟はディンギル星の消滅の際にウルクへの搭乗できず死亡したと思っていたが、実は弟の方はヤマトに救助されていた事実を彼が知る由は無かった。
軍人としての手腕
奇襲戦法と、水雷艇&ハイパー放射ミサイルや艦載機による機動戦術を得意とする軍人と考えられる。例として、ヤマトに先制攻撃を加えて戦闘不能にしている。続いて太陽系侵攻戦でも、電光石火ともいうべき速度で攻撃、各基地を艦載機攻撃等の爆撃で殲滅していった。
さらには移民船団に対してもワープで眼の前に現れて一挙に砲撃戦で殲滅しており、その後に現れた地球艦隊には、何と波動砲をワープで回避するという神業を見せている。さらには待機させていた水雷艇で挟撃するなど、その手際の良さが確認できる。
ただし艦隊戦は、ほぼゴリ押しの感がある。というのも、ディンギル帝国の艦船は連射速射が凶悪的なので、集団となっての集中砲火が望ましいからではないか、という見解もできるが詳しい事は不明。
経歴
対ヤマト戦1回目
ディンギル星の消滅を見届けたところからから登場。付近を航行していたヤマトを補足すると、迷うことなく攻撃を命じた。ハイパー放射ミサイルで先制攻撃を加え、反撃の機会を与えることなくもなく戦闘不能にしてしまった。
地球侵攻戦
その後、ディンギル帝国の本拠地となった、都市衛星ウルクに帰還し、父親であるルガールに報告。感傷的になることもなく、移住先の地球へ向かう事が決定されると同時に、太陽系制圧艦隊司令長官に任命された。
太陽系侵攻時は電光石火の勢いで攻め込んでおり、冥王星基地を手始めに空爆、その後も各基地を尽く殲滅し、さらには地球移民船団も容赦なく殲滅。コロニーにも攻撃を加えるなど徹底した攻撃を加えて行った。その後に現れた地球艦隊も、ワープで波動砲を回避し、水雷艇を左右から挟撃させて一挙に殲滅してしまう。地球本星にまで攻撃を加え、その機能の大半を奪うまで徹底した空爆を行っていった。これにより、地球外避難の手段を実質的に失った地球人類は、アクエリアスが接近する状況で地球に閉じ込められることになった。
対ヤマト戦2回目
その後、地球を進発したヤマト他残存艦隊を殲滅すべく迎撃を開始。水雷艇を主力とした攻撃部隊と艦載機による護衛部隊を先発させ、地球艦隊の大半を撃沈させていった。第1陣でヤマト他、駆逐艦冬月等数隻が残ると、トドメを刺すために第2陣として水雷艇を出撃させようとする。同時に前衛艦隊を差し向けていた。
しかし、古代進の乗るコスモゼロによって補給拠点を暴露させられてしまい、そのポイントに向かっての波動カートリッジ弾による砲撃が行われた。ピンポイントな攻撃によって、補給中だったディンギル艦隊は、移動要塞の誘爆に巻き込まれる形で全滅。ルガール・ド・ザール自身は辛うじて生き延びた。
対ヤマト戦3回目
地球人の地球外避難を封じた一方で自らの艦隊が全滅したことを父に報告したが、そこでディンギルの隠された秘密を打ち明けられる。地球の正当な支配者は自分たちであるとのディンギル星の思想を告げられると共に、最後のチャンスとして残りの全艦隊を率いてのヤマト殲滅を命じられた。
惑星アクエリアスでヤマトと遭遇し、水雷艇での殲滅を図った。しかし、真田志郎が考案した対ハイパー放射ミサイル防御装置が威力を発揮。ヤマトに着弾する前に自爆させられてしまうと、止む無く艦隊戦で決着を付ける事態になった。小惑星がごろごろと点在する宙域での苛烈な砲撃戦は、ディンギル側に優勢だったが、ここで波動砲が襲った。ディンギル艦隊は波動砲の波にもまれてしまい全滅。2度目の大敗を喫することとなった。
彼は辛くも生き延びたものの、一撃逆転の光景に唖然として言葉を失ってしまった。命からがらウルクへ逃げ帰る最中、彼は父親に通信で恐る恐る敗北の報告をした。結局、最後の機会を生かせなかった彼を父親は見限り、通信を切ってウルクの周囲にニュートリノビーム防禦幕を展開させた。ルガール・ド・ザールは、ウルクの防禦幕を回避しようとしたものの間に合わず、そのまま突っ込んで死亡してしまった。